「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」文庫「第六章 崩壊」のあらすじ、登場人物、感想について徹底解説します!
女医がモンスターペイシェント(クレーマー患者)と向き合い成長していく姿と医療現場を生々しく描いた病院サスペンス小説「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」(南杏子著書)。
「第六章 崩壊」では、終盤にきて大きく局面が変わる章です。座間のせいで千晶はどうなるのか?浜口陽子の医療訴訟の行方は?患者と医師のいざこざで病院は崩壊するのか?、、、ハラハラドキドキの展開になります。
※こちらに第一章から第七章までのあらすじ・登場人物・感想、南杏子先生プロフ、NHKドラマの過去記事がありますのでよろしければ読んでください。
第一章 午前外来 ⇒「第一章 午前外来」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第二章 夜間当直 ⇒「第二章 夜間当直」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第三章 オアシス ⇒「第三章 オアシス」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第四章 豹変 ⇒「第四章 豹変」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第五章 攻撃 ⇒「第五章 攻撃」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第六章 崩壊 ⇒「第六章 崩壊」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第七章 日常 ⇒「第七章 日常」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
著者の南杏子先生について ⇒南杏子プロフィール
NHKドラマ ⇒貫地谷しほり主演ドラマ
目次
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」 第六章 崩壊 あらすじ
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」医療ミステリー小説の全体の概要はこちらです。
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」全体の概要
患者と医師の信頼関係を題材に、「モンスターペイシェント」と称されるクレーマー患者との関わりの中で1人の若き女性医師の成長をミステリタッチで描いた作品。
モンスターペイシェントとは、クレーマー患者を意味します。
まず目次ですが、次の7つの章から構成されています。
第一章 午前外来
第二章 夜間当直
第三章 オアシス
第四章 豹変
第五章 攻撃
第六章 崩壊
第七章 日常
今回は、「第六章 崩壊」のあらすじ、登場人物、感想について説明します!
まずは、「第六章 崩壊」のあらすじ
↓↓↓↓↓
応召義務という切り札を主張する座間の存在に日々おびえる千晶。仕事も何もあったものではない不安定な精神状態に陥る。(※応召義務とは、患者から診察治療の要求があった場合は正当な事由がなければ医師は診察を拒否できない。)
そんな折、医療訴訟を抱える陽子への連絡がしばらく途絶えていた。海外研修中の夫の了解を取り付け、陽子のマンションの部屋に入る千晶。そこには陽子の変わり果てた姿があった。
葬儀は、医師としての陽子を惜しむ声、称える声で絶えなかった。
結局、原告側の訴訟取り下げとその理由のため浜口陽子の名誉は回復した。しかし陽子の命まで戻ってこない。
一方、座間の下劣な個人ブログの影響で、佐々井病院のネット上のネガティブ・キャンペーンが拡大し、病院経営は大きく落ち込んでいた。
そんなある日、金田の女性患者が診察中に凶行に及ぶ。金田は包丁に刺され倒れ、千晶は女に噛みつかれる。
そして、ついに座間が診察に千晶の前に現れた。例によって言いがかりをつけてくる座間に対し、千晶は冷静に淡々と対処するのであった。
妹の万理から電話があった。母が急変したと告げられ千晶は実家へ戻る。
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」 第六章 崩壊 登場人物と舞台
次に、「第六章 崩壊」の登場人物と舞台
真野千晶の家族
真野千晶(まの ちあき):主人公。佐々井記念病院に勤務する常勤内科医。医学部卒業。35歳誕生日まで勤めていた大学病院から、半年前に佐々井病院勤務となった。真面目で緊張しやすい性格。武蔵小杉のマンションに住んでいる。独身。今のところ結婚する気はない。35歳。
真野万里(まの まり):千晶の妹。モンスター患者たちを診察している姉千晶を気遣い電話してくる。妹も父の診療所を継いでもらいたい意向。高校を卒業して進学もせず、父の診療所の医療事務を行っている。
真野徹(まの とおる):千晶の父。真野診療所の所長。医療事務は次女の万理に任せ、数人のスタッフで運営している。75歳で診療所を辞めると診療所は閉じることになる。その前に、長女の千晶に診療所を継がせたい。74歳。
真野佑子(まの ゆうこ):千晶の母。体調が悪い。5、6年前から認知症を呈し始めた。車いすを利用、体力がかなり落ちている。そんな容態でも千晶の食事を気にしている。70歳。
病院側の同僚や関係者たち
浜口陽子:佐々井記念病院に勤務して4年となる医師。医療訴訟を抱えている。青森地裁の口頭弁論に出向く日がある。体格はガッチリしている。姉御肌。千晶が信頼している先輩。心臓病に詳しい。医大で基礎系の研究員をしている夫がいる。夫はアメリカで海外研修中。子供はいない。北海道函館出身。42歳。
金田直樹:千晶の同僚。カネゴン。千晶と同じ内科所属。高峰事務総長すなわち病院側の経営方針には人一倍の反感を持っている。ズバズバモノをいうタイプで、そのせいもあり女性患者の凶行に倒れる。妻子持ち。37歳。
蓮見勇夫:神奈川県警暴力団対策課に勤めていた警備員。千晶が頼りにするひとり。65歳。
渡辺美咲(わたなべみさき):入職2年目。山梨県甲府出身。両親は甲府で果樹園を営んでいる。「水たまり事件」でひどい目に遭う。
高峰修二:「患者様プライオリティー」を掲げる佐々井記念病院の事務総長。四菱銀行出身の元エリート金融マン。とにかく病院経営の危機を職員全員に説き伏せる。高級ブランドスーツやローレックス時計を身に着ける。高身長。上から目線。52歳くらい。
沼田晋也:事務局の主任。高峰修二事務総長の忠実なしもべ。
佐々井宗一郎:理事長兼院長。三代目の院長。脳神経外科の権威。54歳。
瀬戸翔太(せとしょうた):介護部主任職員。港西大学経済学部卒。認知症の患者に暴言を吐いたかどでつるし上げをくう。26歳。
患者たち
座間敦司(ざまあつし):佐々井記念病院に通院するモンスターペイシェントのなかの最恐モンスター患者。オールバックで前歯が欠けていて黄色い縁の眼鏡をかけている。「子が親の介護を行うのは当然」という信条をもち、母の介護をしている。第二章でもウォーキングの途中と言い張り病院内に立ち寄り何かと千晶に話かける。第三章でも出現し、無理やり千晶の昼食代450円を支払ってしまう。第五章では自分の個人ブログで千晶への中傷記事で攻撃をかける。49歳。
千晶を取り巻く人々
吉良大輔(きらだいすけ):ロシア武術「システマ」講師。柔道、合気道、フィリピン武術を経てロシア武術「システマ」に辿り着いた。武蔵小杉駅にスクールがある。謙虚で腰が低い。イケメン。「システマ」呼吸法で平常心を持てるように主人公千晶を指導している。
舞台
佐々井記念病院:川崎市矢上区にある医療法人社団医新会の佐々井記念病院が主な舞台。市中の中規模医療施設で民間の総合病院、ベッド数が百五十、150万都市の医療を支えている存在。病院内は高級ホテルを思わせる外装内装が施されている。千晶に言わせると「デパート化」された病院。
システマ:吉良大輔(きらだいすけ)が講師を務めるロシア武術を教える教室。
真野診療所:山梨県にある、千晶の父が営む診療所。
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」 第六章 崩壊 感想
「第六章 崩壊」を読んだ個人的な感想になります。
一部分ネタバレもありますので、一回読んでからのご参考にしてください。
◆座間がいつ診察に来るのかと情緒不安手になる千晶。病院側は誰も助けようとしないのでしょうか?これは単なるフィクションで演出なのでしょうか?本当に起こりうること?フィクションでありながら千晶に激しく同情します。
◆そして、陽子先生の突然の〇〇!急転直下とはこのことをいうのでしょうか!!!僕も千晶のように言葉にならない状態でした。ここまで医師はリスクのある仕事なのでしょうか?
◆システマ教室で「車座」という言葉が出てきます。「車座」(くるまざ)という言葉に恥ずかしながら初めて出会いました。意味は「大勢が輪になって座ること」でした。
◆座間のブログによるネット上の事実とは大きく異なるデマやハラスメントに、病院や個人が攻撃されっぱなしです。名誉棄損で訴えることはできないのでしょうか?弁護士へは相談しないの?あまりにも無防備でやられっぱなしで不自然な気がしましたが。
◆第六章を読んで、救いのない気持ちになりました。患者と医師と家族に希望はあるのでしょうか?最終章である第七章に希望を託したいと思います。
まとめ 「第六章 崩壊」のあらすじ、登場人物、感想
本記事は「第六章 崩壊」のあらすじ、登場人物、感想について解説しました。
全7章あらすじ・登場人物・感想、南杏子先生プロフ、NHKドラマ情報についてコチラにまとめましたのでご参考にしてください。
第一章 午前外来
第二章 夜間当直
第三章 オアシス
第四章 豹変
第五章 攻撃
第六章 崩壊
第七章 日常
南杏子先生、作家で医師(学歴)のプロフィールはこちら!
「ディア・ペイシェント」NHKドラマ10の放送日とキャスト
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」NHKドラマ10の情報
【祝・放送開始決定】医師であり作家の南杏子さんの医療ミステリー小説「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」NHKドラマ10は新型コロナウイルスの影響により放送予定日が延期になってましたがついに放送開始決定です!
◎NHK総合 2020年7月17日 毎週金曜日 夜10時 全10回
◎NHK4K 2020年7月15日 毎週水曜日 夜11時15分 全10回
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」について、NHKドラマ10の放送日・キャスト、文庫本(原作)の「第一章 午前外来」から「第七章 日常」までのあらすじ・登場人物・感想、そして原作者の医師であり作家の南杏子先生のプロフィールについて徹底解説した記事はコチラです。