「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」文庫「第五章 攻撃」のあらすじ、登場人物、感想について徹底解説します!
女医がモンスターペイシェント(クレーマー患者)と向き合い成長していく姿と医療現場を生々しく描いた病院サスペンス小説「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」(南杏子著書)。
「第五章 攻撃」では執拗で変態的な座間の攻撃が千晶に牙をむきます。一方で、なぜ座間は千晶をそうも嫌がらせを行うのか?なぞが膨らんでいきます。
※こちらに第一章から第七章までのあらすじ・登場人物・感想、南杏子先生プロフ、NHKドラマの過去記事がありますのでよろしければ読んでください。
第一章 午前外来 ⇒「第一章 午前外来」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第二章 夜間当直 ⇒「第二章 夜間当直」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第三章 オアシス ⇒「第三章 オアシス」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第四章 豹変 ⇒「第四章 豹変」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第五章 攻撃 ⇒「第五章 攻撃」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第六章 崩壊 ⇒「第六章 崩壊」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
第七章 日常 ⇒「第七章 日常」あらすじ、登場人物、感想はコチラ!
著者の南杏子先生について ⇒南杏子プロフィール
NHKドラマ ⇒貫地谷しほり主演ドラマ
目次
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」 第五章 攻撃 あらすじ
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」医療ミステリー小説の全体の概要はこちらです。
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」全体の概要
患者と医師の信頼関係を題材に、「モンスターペイシェント」と称されるクレーマー患者との関わりの中で1人の若き女性医師の成長をミステリタッチで描いた作品。
モンスターペイシェントとは、クレーマー患者を意味します。
まず目次ですが、次の7つの章から構成されています。
第一章 午前外来
第二章 夜間当直
第三章 オアシス
第四章 豹変
第五章 攻撃
第六章 崩壊
第七章 日常
今回は、「第五章 攻撃」のあらすじ、登場人物、感想について説明します!
まずは、「第五章 攻撃」のあらすじ
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なにかと頻繁に往診に来る座間敦司(ざまあつし)の次の攻撃は、なんとネットによる千晶への中傷(攻撃)であった。
座間の個人ブログでは、病院への不満、千晶への文句、さらに千晶の実名と実顔がさらされている。
「患者様プライオリティー推進委員会」で議題に挙げられ、そこで必死に弁明する千晶。
病院事務局側は病院の対面を重視し座間の個人ブログの内容を信じており、千晶を責めたてる。
そして、千晶の夜間当直の午前3時に現れたのが、またしても座間であった。
その日の座間の執拗で陰湿な攻撃(いやがらせ)についに泣き出す千晶であった。
ある日の「患者様プライオリティー推進委員会」で介護職員である瀬戸翔太の患者に対する暴言が槍玉(やりだま)にあげられた。しかし、懲戒の発表を遮って閉会したのは意外にも佐々井宗一郎理事長兼院長であった。
くたくたになって帰る途中の駐車場で待ち伏せしていたのは、またしてもほかならぬ座間であった。
千晶の「私が母を介護してないのが気に障るのか」という問いかけに、座間から発した言葉は「子が親を介護するのは当然だ」という答えだった。
つぎの「第六章 崩壊」へ物語は予期せぬ方向へと展開していくのであった。
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」 第五章 攻撃 登場人物と舞台
次に、「第五章 攻撃」の登場人物と舞台
真野千晶の家族
真野千晶(まの ちあき):主人公。佐々井記念病院に勤務する常勤内科医。医学部卒業。35歳誕生日まで勤めていた大学病院から、半年前に佐々井病院勤務となった。真面目で緊張しやすい性格。武蔵小杉のマンションに住んでいる。独身。今のところ結婚する気はない。35歳。
真野万里(まの まり):千晶の妹。モンスター患者たちを診察している姉千晶を気遣い電話してくる。妹も父の診療所を継いでもらいたい意向。高校を卒業して進学もせず、父の診療所の医療事務を行っている。
真野徹(まの とおる):千晶の父。真野診療所の所長。医療事務は次女の万理に任せ、数人のスタッフで運営している。75歳で診療所を辞めると診療所は閉じることになる。その前に、長女の千晶に診療所を継がせたい。74歳。
真野佑子(まの ゆうこ):千晶の母。体調が悪い。5、6年前から認知症を呈し始めた。車いすを利用、体力がかなり落ちている。70歳。
病院側の同僚や関係者たち
瀬戸翔太(せとしょうた):介護部主任職員。港西大学経済学部卒。認知症の患者に暴言を吐いたかどでつるし上げをくう。26歳。
浜口陽子:佐々井記念病院に勤務する医師。医療訴訟を抱えている。青森地裁の口頭弁論に出向く日がある。体格はガッチリしている。姉御肌。千晶が信頼している先輩。心臓病に詳しい。医大で基礎系の研究員をしている夫がいる。夫はアメリカで海外研修中。子供はいない。42歳。
金田直樹:千晶の同僚。カネゴン。千晶と同じ内科所属。高峰事務総長には人一倍の反感を持っている。ズバズバモノをいうタイプ。37歳。
蓮見勇夫:神奈川県警暴力団対策課に勤めていた警備員。65歳。
渡辺美咲(わたなべみさき):入職2年目。山梨県甲府出身。両親は甲府で果樹園を営んでいる。「水たまり事件」でひどい目に遭う。
高峰修二:「患者様プライオリティー」を掲げる佐々井記念病院の事務総長。四菱銀行出身の元エリート金融マン。とにかく病院経営の危機を職員全員に説き伏せる。高級ブランドスーツやローレックス時計を身に着ける。高身長。上から目線。52歳くらい。
沼田晋也:事務局の主任。高峰修二事務総長の忠実なしもべ。
佐々井宗一郎:理事長兼院長。三代目の院長。脳神経外科の権威。54歳。
患者たち
座間敦司(ざまあつし):佐々井記念病院に通院するモンスターペイシェントのなかの最恐モンスター患者。オールバックで前歯が欠けていて黄色い縁の眼鏡をかけている。「子が親の介護を行うのは当然」という信条をもち、母の介護をしている。第二章でもウォーキングの途中と言い張り病院内に立ち寄り何かと千晶に話かける。第三章でも出現し、無理やり千晶の昼食代450円を支払ってしまう。第五章では自分の個人ブログで千晶への中傷記事で攻撃をかける。49歳。
千晶を取り巻く人々
吉良大輔(きらだいすけ):ロシア武術「システマ」講師。柔道、合気道、フィリピン武術を経てロシア武術「システマ」に辿り着いた。武蔵小杉駅にスクールがある。謙虚で腰が低い。イケメン。「システマ」呼吸法で平常心を持てるように主人公千晶を指導している。
舞台
佐々井記念病院:川崎市矢上区にある医療法人社団医新会の佐々井記念病院が主な舞台。市中の中規模医療施設で民間の総合病院、ベッド数が百五十、150万都市の医療を支えている存在。病院内は高級ホテルを思わせる外装内装が施されている。千晶に言わせると「デパート化」された病院。
システマ:吉良大輔(きらだいすけ)が講師を務めるロシア武術を教える教室。
真野診療所:山梨県にある、千晶の父が営む診療所。
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」 第五章 攻撃 感想
「第五章 攻撃」を読んだ個人的な感想になります。
一部分ネタバレもありますので、一回読んでからのご参考にしてください。
◆座間敦司(ざまあつし)の千晶への攻撃が卑劣すぎて背筋が凍ります。こんな頭がどうかしている人にもし僕自身が嫌がらせを受けたならどう対処できるのか?警察は守ってくれるのか?弁護士に相談すればいいのか?こんな経験はありませんが小説の中の座間という男に、強い怒り以上のモノを感じます。
◆今回は医師法という法律の一部が出てきました。医師法第19条第1項の応召義務。応召義務とは、医師は診察治療の要求があった場合は正当な事由がなければ拒否できないという条項です。つまり、患者側が診察を求めることを拒んだ場合、医師は法律違反を犯すことになるのです。これは知りませんでした。この医師法をたてに千晶に迫る座間に天罰を下すべき!
◆第五章の最後、くたくたになって帰る途中の駐車場で待ち伏せしていた座間に、千晶の「私が母を介護してないのが気に障るのか?」という問いかけに、座間から発した言葉は「子が親を介護するのは当然だ!」の答え、いったい座間はなぜ千晶の家庭内のことを知っているのか?医師と患者以外に全く関係のないふたりに、そもそも千晶と座間のふたりに何があるのか?作者はこの作品をミステリーと呼んでいました。一方的な被害者側に書かれている千晶にもなんらかの理由があるのか?謎だらけの展開に次の第六章に進むペースが早くなります!
まとめ 「第五章 攻撃」のあらすじ、登場人物、感想
本記事は「第五章 攻撃」のあらすじ、登場人物、感想について解説しました。
全7章あらすじ・登場人物・感想、南杏子先生プロフ、NHKドラマ情報についてコチラにまとめましたのでご参考にしてください。
第一章 午前外来
第二章 夜間当直
第三章 オアシス
第四章 豹変
第五章 攻撃
第六章 崩壊
第七章 日常
南杏子先生、作家で医師(学歴)のプロフィールはこちら!
「ディア・ペイシェント」NHKドラマ10の放送日とキャスト
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」NHKドラマ10の情報
【祝・放送開始決定】医師であり作家の南杏子さんの医療ミステリー小説「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」NHKドラマ10は新型コロナウイルスの影響により放送予定日が延期になってましたがついに放送開始決定です!
◎NHK総合 2020年7月17日 毎週金曜日 夜10時 全10回
◎NHK4K 2020年7月15日 毎週水曜日 夜11時15分 全10回
「ディア・ペイシェント~絆のカルテ~」について、NHKドラマ10の放送日・キャスト、文庫本(原作)の「第一章 午前外来」から「第七章 日常」までのあらすじ・登場人物・感想、そして原作者の医師であり作家の南杏子先生のプロフィールについて徹底解説した記事はコチラです。