渡邉聡美(わたなべ・さとみ)選手は、スカッシュのPSA世界ランキング6位に立つ日本のエースです。
8歳で競技を始め、12歳で単身マレーシアへスカッシュ留学。高校卒業後はイギリスで大学生活とプロ活動を両立し、日本人初の世界トップ10、ワールドゲームズ金メダル、アジア大会個人銅メダルと道を切り開いてきました。
なぜ中学1年で海外へ渡り、どのように世界6位まで上り詰めたのでしょうか。プロフィール、マレーシアとイギリスでの成長、アジア大会2026の最新日程とメダルの可能性を整理します。
渡邉聡美は何者?プロフィールを紹介

| 名前 | 渡邉聡美(わたなべ・さとみ) |
|---|---|
| 生年月日 | 1999年1月15日(27歳) |
| 出身地 | 神奈川県横浜市 |
| 所属 | Greetings |
| 出身校 | 八洲学園大学国際高等学校→University of Roehampton(ローハンプトン大学) |
| 身長・体重 | 170cm・59kg |
| 利き手 | 右 |
| 世界ランキング | PSA女子6位(2026年9月14日付) |
| 主な実績 | 2023年アジア大会個人銅、2025年ワールドゲームズ金、全日本選手権通算6回優勝 |
渡邉選手の公式サイトは、2026年7月時点のPSAランキングと自己最高位をともに6位と掲載しています。さらに、9月14日付のPSAランキングでも6位を維持していることが確認できます。
8歳でスカッシュと出会い、週5日の練習へ
渡邉選手がスカッシュと出会ったのは、小学3年生の終わりごろです。近所のスポーツクラブにコートがあり、友人の母親が競技をしていたことから、最初は遊びの感覚でラケットを握りました。
小学4年からはスカッシュ専門施設「SQ-CUBE横浜」へ。日本のトップ選手が打つボールの速さと技術に衝撃を受け、本格的に競技へ打ち込みます。ジュニアアカデミーでの練習は週5日ほどになり、海外で強くなりたいという思いが育っていきました。
12歳でマレーシアへ単身留学した理由
中学1年の夏、12歳の渡邉選手はマレーシア・ペナン島へ渡りました。小学生のときに2週間ほど現地で練習した経験があり、母親から留学を提案された際、「マレーシアに行けば強くなれる」と考えて決断したと、本人がインタビューで振り返っています。
現地ではイギリス系のインターナショナルスクールに通い、午後3時まで授業、午後4時から7時ごろまでクラブで練習する生活を約5年間続けました。12面のコートがあり、トップ選手や同世代の仲間と十分に打てる環境だったといいます。
技術面だけでなく、試合前の準備や感情のコントロールも学びました。世界ランキング5位まで上がったマレーシアのロー・ウィン・ウェン選手が、年少の渡邉選手の質問に丁寧に答えたことも大きな財産になりました。
一方で、渡邉選手は英語や学業への不安も抱えていました。現地校と通信制の八洲学園大学国際高等学校を併用するダブルスクーリングを選び、競技と高校卒業資格の両方を追った点も、異例の経歴といえます。
18歳で全日本初優勝、次は本場イギリスへ
約5年間のマレーシア留学を終えた渡邉選手は、2017年に18歳で全日本選手権初優勝。その後、同大会で5大会連続優勝を果たしました。2024年にも優勝し、通算優勝回数を6回へ伸ばしています。
高校卒業後はスカッシュの本場イギリスへ移り、ロンドンのローハンプトン大学で学びながらプロツアーを転戦しました。マレーシアで土台を築き、イギリスで世界ツアーを戦う技術と経験を積んだことが、現在の強さにつながっています。
日本人初のトップ10から世界6位へ
渡邉選手は2023年、日本人で初めてPSA世界ランキングのトップ20に入りました。2025年1月には上位シードを連破して「Squash in the Land」で優勝し、同年3月に日本人初のトップ10入りを達成します。
2025年は世界選手権でベスト8に進み、8月のワールドゲームズでは女子シングルス金メダルを獲得。日本選手がスカッシュでワールドゲームズを制したのは初めてでした。11月には当時世界1位のハニア・エルハマミー選手にも勝利しています。
2026年9月14日付の世界ランキングは6位です。世界上位の選手に勝った実績と、大舞台で金メダルを取り切った経験の両方があり、「将来性のある選手」から「世界タイトルを狙う選手」へ立場が変わったといえるでしょう。
過去のアジア大会とワールドゲームズの成績

| 大会 | 主な成績 |
|---|---|
| 2018年ジャカルタ・パレンバンアジア大会 | 女子個人ベスト8 |
| 2023年杭州アジア大会 | 女子個人銅メダル、女子団体5位 |
| 2025年ワールドゲームズ成都大会 | 女子シングルス金メダル |
杭州大会の個人銅は、日本スカッシュ史上初のアジア大会個人メダルでした。2025年のワールドゲームズでは金メダルまで到達しており、自国開催となる愛知・名古屋大会では、前回の銅を超える結果が期待されます。
スカッシュとは?ロサンゼルス五輪で初採用
スカッシュは、四方を壁に囲まれたコートで、2人が小さなゴムボールを交互に打つラケット競技です。相手が返球できない場所へ打つ技術に加え、コート中央を奪う駆け引き、瞬発力、持久力が求められます。
1ゲームは11点先取で、10対10以降は2点差がつくまで続きます。試合は5ゲーム制で、先に3ゲームを取った選手が勝者です。LA28公式サイトによると、2028年ロサンゼルス五輪でスカッシュは初めてオリンピック競技として実施されます。
27歳の渡邉選手にとって、今回のアジア大会は2年後の五輪へつながる重要な実戦です。本人はロサンゼルス五輪の金メダルを目標に掲げています。
アジア大会2026の日程と金メダルの可能性
日本スカッシュ協会が公表した予定では、愛知・名古屋アジア大会のスカッシュは2026年9月23日から10月2日まで行われます。女子個人の日程は9月23日から27日で、会場は名古屋市の武田テバオーシャンアリーナです。
| 項目 | 予定 |
|---|---|
| 女子個人 | 2026年9月23日〜27日 |
| スカッシュ全競技 | 2026年9月23日〜10月2日 |
| 会場 | 武田テバオーシャンアリーナ(名古屋市) |
渡邉選手は世界6位で、前回大会後にトップ10入りとワールドゲームズ優勝を果たしました。世界ランキングだけで見れば、同5位で杭州大会女王のシバサンガリ・スブラマニアム選手(マレーシア)と並び、金メダル候補の中心です。地元の声援を受けられる点もプラス材料になります。
ただし、金メダルが確実という意味ではありません。スカッシュは短いラリーの連続で流れが大きく変わり、同じアジアにも香港、マレーシアなどの強豪がいます。「優勝候補の一人」という評価は、最新ランキングと近年の国際成績に基づく分析です。
2026年9月10日に組み合わせが発表されていますが、各試合の開始時刻は変更される可能性があります。観戦前には大会公式サイトや日本スカッシュ協会の最新案内をご確認ください。
まとめ
- 渡邉聡美選手は、神奈川県横浜市出身のプロスカッシュ選手
- 8歳で競技を始め、12歳から約5年間、マレーシアへ単身留学
- 現地校と日本の通信制高校を併用し、競技と学業を両立
- 高校卒業後はイギリスで大学へ通いながらプロツアーを転戦
- 2025年に日本人初の世界トップ10、ワールドゲームズ金メダルを達成
- 2026年9月14日付のPSA世界ランキングは6位
- アジア大会の女子個人は9月23日から27日に予定されている
12歳で日本を離れた決断から15年。渡邉選手は、マレーシアで基礎を学び、イギリスで世界との距離を縮め、日本人が届かなかった世界6位まで進みました。愛知・名古屋大会では、前回の銅を何色へ変えるのかに注目です。







