徳之島はなぜ「子宝の島」?出生率と子育て環境を整理!

徳之島の青い海と集落を背景に、赤ちゃんを抱く家族と地域の人々が並ぶイラスト

2026年8月30日の『24時間テレビ49』では、水卜麻美(みうら あさみ)さんが鹿児島県の徳之島を訪れ、「子宝の島」の出産に密着する企画が放送されます。

徳之島は、なぜ「子宝の島」と呼ばれているのでしょうか。

結論からいうと、徳之島にある3町の合計特殊出生率が全国上位にあり、「子は宝」と考える地域文化、親族や住民の支え合い、行政・医療機関の連携が重なっているためです。

ただし、統計だけで「この制度が出生率を高めた」と一つの原因に決めることはできません。島内の分娩施設が1か所しかないという課題もあります。

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徳之島が「子宝の島」と呼ばれる理由

▼徳之島の出産を支えている徳之島徳洲会病院:徳洲会グループの2024年の報告

徳之島の出産を支えているのが、徳之島徳洲会病院:徳洲会グループの2024年の報告

徳之島は一つの自治体ではなく、次の3町で構成されています。

  • 徳之島町
  • 天城町
  • 伊仙町

ここで間違えやすいのが、「徳之島町」と「徳之島全体」の違いです。徳之島町は島にある3町の一つで、島全体を指す名称ではありません。

厚生労働省の市区町村別統計では、3町すべての合計特殊出生率が全国平均を上回っています。

自治体合計特殊出生率全国順位
徳之島町2.251位
天城町2.242位
伊仙町1.9816位
全国1.33参考値

全国1位と2位を同じ島の町が占め、残る伊仙町も16位です。この3町の高さが、徳之島全体を「子宝の島」と呼ぶ大きな根拠になっています。

2.25は「2024年だけの出生率」ではない

合計特殊出生率とは、15~49歳の女性の年齢別出生率を合計した指標です。現在の出生状況が続いた場合に、1人の女性が生涯に産む子どもの数に相当します。

今回使われている2.25と2.24は、2018年から2022年までの5年間を集計した数字です。厚生労働省が2024年4月に公表したため、「令和6年の厚生労働省統計」と紹介されていますが、2024年だけの出生率ではありません。

人口の少ない町では1年間の出生数によって数値が大きく動く可能性があるため、5年分をまとめて地域差を捉えています。

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理由①「子は宝」と考える地域文化

徳之島では、子どもを親だけで育てるのではなく、親族や地域も一緒に見守るという考え方が受け継がれてきました。

徳之島徳洲会病院の関係者は、地域の人同士が支える風土を「結い(ゆい)の精神」と説明しています。「結い(ゆい)」とは、農作業や暮らしの中で互いに労力を出し合い、助け合う仕組みや精神のことです。

この考え方が子育てにもつながり、出産後の家庭を親族や近隣住民が支える環境が生まれていると考えられます。

ここからは資料を踏まえた分析ですが、重要なのは単に「子どもが多い家庭を特別視しない」ことです。地域に子どもがいる状態を自然に受け入れる空気が、保護者の孤立感や負担感を和らげている可能性があります。

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理由②親だけに負担を集中させない支え合い

都市部では、夫婦だけで仕事、家事、育児を抱え込む家庭も少なくありません。

徳之島では、親や祖父母だけでなく、親戚、近隣住民、保健師、助産師など、複数の人が子育てに関わっています。

島で暮らす人同士の距離が近いため、妊婦さんや子育て家庭の状況を把握しやすいことも特徴です。

ただし、地域のつながりが強いことを、誰にとっても暮らしやすいと単純に評価することはできません。人間関係の近さを安心と感じる人がいる一方、プライバシーの確保を難しく感じる人もいるでしょう。

それでも、子育てを家庭だけの責任にせず、周囲が支える考え方は、徳之島の出生率を考えるうえで見落とせない要素です。

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理由③行政・医療機関が産前産後を連携支援

徳之島では、3町の保健師、病院や助産院の助産師、県の保健所などが「母子連絡会」を通じて情報を共有しています。

妊娠中から出産後まで、行政と医療機関が同じ家庭を継続して支援できる仕組みです。

徳之島町では、ふるさと納税を活用した出産祝い金のほか、社会福祉協議会や民間企業による育児支援も実施されています。制度の内容は3町で異なりますが、行政だけに任せず、地域の複数の組織が関わる点に特徴があります。

金銭的な支援だけで出生率が上がるとは限りません。相談できる相手が身近にいることや、妊娠から産後まで関係が途切れないことも、安心して子どもを育てる環境につながっていると考えられます。

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島内唯一の分娩施設が出産を支えている

徳之島の出産を支えているのが、徳之島徳洲会病院です。

徳洲会グループの2024年の報告によると、同病院は島内唯一の分娩取扱施設です。当時は年間約140~150件の分娩に対応し、3町の保健師や助産師とも連携していました。

妊娠中から産後の健診まで同じスタッフが関わりやすく、妊婦さんとの「顔の見える関係」を築けることは、小規模な地域ならではの強みです。

一方、分娩施設が1か所しかないことは弱点でもあります。

医師や助産師の確保が難しくなれば、島全体の出産環境に影響します。また、対応が難しい出産では、鹿児島市や奄美大島など島外の医療機関への搬送が必要になる場合があります。

徳之島の高い出生率は、自然に維持されているのではありません。限られた医療資源を、病院、行政、地域が連携して支えている結果でもあります。

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24時間テレビでは13時40分ごろ放送

日本テレビの公式タイムテーブル

徳之島の企画は2026年8月30日13時40分ごろから放送:日本テレビの公式タイムテーブル

日本テレビの公式タイムテーブルによると、徳之島の企画は2026年8月30日13時40分ごろから放送予定です。

水卜麻美さんが島を訪れ、世代を超えて受け継がれる精神や慣習を取材するとともに、実際の出産にも密着します。

生放送の進行によって、開始時刻が前後する可能性があります。

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まとめ

徳之島が「子宝の島」と呼ばれる理由をまとめます。

  • 徳之島町の合計特殊出生率は2.25で全国1位
  • 天城町は2.24で2位、伊仙町も1.98で16位
  • 数字は2018~2022年の5年間を集計したもの
  • 「子は宝」「結いの精神」という地域文化がある
  • 親族、住民、行政、医療機関が子育てに関わる
  • 島内唯一の分娩施設が3町の出産を支えている
  • 分娩施設が1か所という医療上の課題もある

徳之島の出生率の高さは、出産祝い金など一つの制度だけで説明できるものではありません。

子どもを地域の一員として迎える文化、家庭を孤立させない人間関係、行政と医療の連携が重なって、「子宝の島」の子育て環境を形作っていると考えられます。

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参考資料