マンガ大賞2022受賞の「ダーウィン事変」の4巻のあらすじ(ネタバレ)、登場人物、語句の意味などを解説します。
ゲノム編集技術により半分ヒトで半分チンパンジーのハイブリッドである「ヒューマンジー」と呼ばれる主人公・チャーリーの物語となります!
本作「ダーウィン事変」4巻も怒涛の展開でページをめくる手が止まりませんでした。特に、主人公・チャーリーと女子高生・ルーシーとのタブー・・・一線を越えるのか・・・これヤバイです、ハラハラドキドキが待っています。そしてお約束の衝撃のラストが待ってました!まったく目が離せません!
それでは始めます、「ダーウィン事変」第4巻のあらすじ(ネタバレあり)、登場人物、語句の意味、どうぞ!
目次
「ダーウィン事変」第4巻 あらすじ(ネタバレ)と解説や感想!さまざまに張り巡らせた伏線回収が楽しみ!
前巻である第3巻では、チャーリーとルーシーにとって最愛の人たちを失ってしまうというショキングなところで終わりました。
「ダーウィン事変」第1巻、第2巻、第3巻のあらすじ(ネタバレ少し)はこちらからどうぞ!
⇒【ダーウィン事変】1巻,2巻,3巻のあらすじ(少しネタバレ)をwiki風に解説!深いテーマ性をもったヒューマン&ノン・ヒューマンドラマ!
その出自から常に追われる身のチャーリー、そしてルーシーたちは、第4巻ではどうなっていくのか・・・
そして第4巻でも、お約束の衝撃のラストが待ってました!
【あらすじ(少しネタバレあり)】
第18話 無主物
シュルーズヴィルの惨劇の後、チャーリーとALAは、国民、警察、FBI、CIAなどから捜索対象となりますが発見されず、日々がたっていきました。
そんな折、チャーリーはルーシーと叔父のフィリップ(フィル)の前に忽然と現れます。
チャーリーの人間の両親を失った今、誰がチャーリーの代わりの親になるのか?
それを探りに、ルーシーと叔父・フィリップ(フィル)とともに(チャーリーの両親が働いていた)研究所を訪れ、リナレス議員(女性)と話し合いをします。
リナレス議員は、チャーリーを「無主物(むしゅぶつ)」と主張します。
※無主物とは、「所有者のない物」を意味します。
議員によれば、チャーリーは法的に動物に準拠した扱いであり、ミズーリ州によって保護される・所有されるべきという立場を取ります。さらに、チャーリーは成り行きで警察に危害を加えた過去から、害獣として殺処分になるとも。
リナレス議員はルーシーにチャーリーの行方を連絡しろと指示しますが、ルーシーはチャーリーの取り扱いが非常にリスクありと判断し、部屋を飛び出していきます。
ここに「ダーウィン事変」のテーマが浮き彫りになった「第18話 無主物」です。
人間とも動物とも区分されないチャーリーは、人間からどのようにみられるのか?人間はどのように考えるのか?人間はどのように取り扱うのか?
「ダーウィン事変」のテーマが浮き彫りになった「第18話 無主物」
ルーシーに随行してきた叔父のフィル(フィリップス)が意外な提案をもちあげます。
フィル(フィリップス)がチャーリーの身元引受人になると告げるのでした。
第19話 所有権の移転
警察の検問をすり抜け、フィルとグレイスの家にたどり着いたチャーリーとルーシー一行。
フィルのロジックは、チャーリーをモノとみなすのならば、モノを拾った主の「拾得物」とみなされるだろうと。
しかし案の定、勤務に戻ったフィルは警察署長にチャーリーを引き渡せと命令される。定年が近いフィルでありましたが、あっさり無期限停職を受け入れ、署長の引き渡し要請を断るのであります。
チャーリーの所有権はフィルに移転するのでありました。
ここで気になるのですが、、、チャーリーとルーシーを庇護する役目を負うフィルとグレイス一家、彼らに過酷な運命が訪れないように祈ってます。でもね、これまでの展開をみていると、作者さんたちはなんかやりそうなんですよね・・・
さらにフィルとグレイスには娘さんが一人いて、その娘さんが亡くなったことも明かされましたし、これが何の伏線になるのか、、、忘れずに覚えておきましょう!
一方、チャーリーは身体能力が覚醒されていくのであります。
第20話 性的二形
チャーリーは思春期を迎え、異常なまでの身体能力と頭脳の発達を遂げようとします。
チャーリーは思春期!
ここでヒロインでもあるルーシーの出生の秘密が明かされます。
ルーシーの出生の秘密とは?
ルーシーは人工授精で生まれたのです。
精子を提供した父については詳細不明。
母に育てられたルーシー。
はからずもルーシーとチャーリーは出生の点において共通点が判明します。
ここも伏線なのか、今後の展開にどんな影響するのか非常に興味があるところです。
そしてこの第4巻の大きな見どころといえる、チャーリーとルーシーの会話。
思春期のチャーリーが、なんと、ルーシーに対して体を求めるのです!(会話上)
それに対して、ルーシーは否定をしません。「いいよ」「嫌とは思わない」と事実上のOKを出すのであります。
会話上ですが、チャーリーからの求め(make love)に対して、「いいよ」「嫌とは思わない」と事実上のOKを出したルーシー!
チャーリーは半分人間と言えども、半分はチンパンジーなのに、人間のルーシーは「いいよ」「嫌とは思わない」って、これはありなんでしょうか?
さらにルーシーはこう問いかけます。
「君がヒューマンジーであることは、君自身から切り離せることなの?チャーリー」
深いですし、ここは非常にショッキングな展開でした。
しかし、しかし、これって読み手を作者さん側が試しているのでは?と後で思うようになりました。
第21話 LITTLE SHOP OF HORRORS
21話のタイトルである「LITTLE SHOP OF HORRORS」は、同名タイトル映画からとっています。この映画「LITTLE SHOP OF HORRORS」は1986年制作の人類と吸血食肉植物の愛憎を描いた異色ホラー・ミュージカル・コメディ。監督はあのフランク・オズです。
まさに人とヒューマンジーの愛憎を描いた本作「ダーウィン事変」をパロディとして付けたタイトルです。
ショッピングセンターに買物にチャーリーは連れていかれるのですが、店のスタッフや買い物客たちとの愛憎劇が描かれます。普通の市民でも銃を携帯する人たちの間で悶着がおこりますが、チャーリーと少年との間に芽生えた友情のため、最悪の事態は回避されます。
こういった寸劇でもアメリカの現実を描いており、ドラマに深みを与えています。
場面は変わって、カナダ国境近くで不審な運送トラックの中から、残忍で手段を選ばない動物解放同盟(ALA)の犯行により多人数の首を切断された死体が発見されます。現職の閣僚1名、その他一般人の計12名、全員肥満体形、つまり過度の肉食者が標的にされました。
同名タイトル映画「LITTLE SHOP OF HORRORS」をオマージュしているのですが、本話ではもっとグロテスクな結末となってます。
第22話 WILL
「WILL]とは意志という意味。チャーリーの母・エヴァは最後の力を絞り何を伝えたいのか!?
チャーリーの身元引受人となっているフィルとグレイス夫妻へ、一本の電話が鳴り響きます。その電話とは、チャーリーの生みの親であるチンパンジー・エヴァが臨終であると!
急ぎ、チャーリー、ルーシー、フィルとグレイス夫妻の4人は、ファウラー博士のいる研究所へ向かいます。
チャーリーの生みの親であるチンパンジー・エヴァとチャーリーはお互い意思の疎通が無かったとチャーリーは言うのでしたが、エヴァの最後の臨終で「単語カード」を使って衝撃の内容を伝えるのでした。
「単語カード」とは文字通り、単語(ここでは英単語)が描かれたカードで、エヴァが最後の気力を振り絞り、ある文章を伝えます。
エヴァが伝えた衝撃の内容とは?(ネタバレになります)
エヴァが最後の気力を振り絞り、ある文章を伝えます。
I am a mother of 2.
私は二児の母。
エヴァは、チャーリーのほかにもう一人生んだということです。
その子とは、チャーリーの弟、名は「オメラス」。
オメラスは、チャーリーよりはずっと人間に近い容姿をしていて、知能も高く・・・
次章へ続く。
第4巻も衝撃のラスト「第22話 WILL」で終わりました。第3巻のラストも衝撃的でしたし、ちょうど切れ目切れ目、節目節目で、衝撃的ラストで終わらせるという、これって計算なのでしょうか!?
絶対に続きを見なくてはいけないという衝動が体を駆け巡りました!!!
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「ダーウィン事変」第4巻 登場人物:チャーリー、ルーシー、フィル、エヴァ、ファイヤアーベント!
あたかも人種のるつぼであるアメリカをなぞるように、「ダーウィン事変」では多様で多彩な登場人物が出演してます。登場人物のプロフィール、特徴、背景など解説しましたので、物語を奥深く読むためにもご参考にしてください。
【登場人物】
チャーリー
チンパンジー・エヴァから生まれた、ゲノム編集技術により半分ヒトで半分チンパンジーのハイブリッドである「ヒューマンジー」(グロスマン教授が遺伝学上の父)。人間に引き取られ、成長する。15歳になったチャーリー。人間である両親は平和な学園生活を送ってくれることを願っていたが、チャーリーは「動物開放」を掲げるテロ集団・ALAに目を付けられてしまう。チャ-リーには通常のアメリカ市民が有する市民権が無い。人間である両親の目標は、国(アメリカ)を相手取って訴訟を起こし、チャーリーにアメリカ市民権を与えることであった。しかしチャーリーはその出生のため周囲と軋轢を生んでいた。チャ-リーは人でないため人権もないためモノ扱い、帰る場所も失い、国民、警察、FBIから追われるチャーリーはどこへ向かおうとするのか。人間と同じく、高校生のチャーリーは思春期を迎え、肉体的にも精神的にも大人に近づくでした。そして、生みの親であるエヴァが最後に残した内容とは!?
ルーシー
ルーシー・エルドレッド。頭脳明晰だが、コミュニケーション能力がやや劣るため、「陰キャ」と揶揄される女子高生。半分ヒト・半分チンパンジー「ヒューマンジー」であるチャーリーを偏見なしに人間同様にみなして接している。
フィル
定年が近いミズーリ州警察の保安官補佐。フィリップ。ルーシーの叔父。チャ-リーを引き取ります。亡くなった娘がいた。
グレイス
フィリップ(フィル)の妻。とにかく明るい。亭主のフィルによれば「箱入り娘」。
ファウラー博士
研究所の所長。
エヴァ
チャーリーの生みの親であるチンパンジー。推定50歳超。チャーリーにとって意思の疎通が無かったはずだが、最後の臨終で衝撃の事実を伝えるのでした。
バート
バート・スタイン教授。チャーリーの養父。チャーリーの生みの親であるチンパンジー・エヴァを治療した。ALAにより悲劇に会う。
ハンナ
バートの妻。チャーリーの養母。ALAにより悲劇に会う。
リナレス議員
政治家の立場から、チャーリー、ルーシー、フィルたちに助力する。動物の市民権、主権、永住権等の「動物の権利」を主張する議員。
ファイヤアーベント
ALAの幹部。事件の首謀者。
オルコット農務長官
政府の閣僚。動物福祉関連が原因でALAにより粛清される。
グロスマン教授
チャーリーの遺伝学上の父。しかしその目的は謎。
ギルバート教授
オメラ
リヴェラ
●チャーリー:チンパンジー・エヴァから生まれた、ゲノム編集技術により半分ヒトで半分チンパンジーのハイブリッドである「ヒューマンジー」(グロスマン教授が遺伝学上の父)。
●ルーシー:ルーシー・エルドレッド。頭脳明晰だが、コミュニケーション能力がやや劣るため、「陰キャ」と揶揄される女子高生。
●フィル:定年が近いミズーリ州警察の保安官補佐。フィリップ。ルーシーの叔父。
●エヴァ:チャーリーの生みの親であるチンパンジー。
●リナレス議員:チャーリー、ルーシー、フィルたちに助力する。動物の市民権、主権、永住権等の「動物の権利」を主張する議員。
●ファイヤアーベント:ALAの幹部。事件の首謀者。
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「ダーウィン事変」第4巻 語句の意味と説明:動物解放同盟(ALA)、ストラルド研究所!
ダーウィン事変4巻でも、固有の語句がたくさん出てきます。
一つ一つの語句を理解してなくてもストーリーを追うことはできますが、各語句の意味を知ればより深く鑑賞できるのは言うまでもありません。
こちらは、ダーウィン事変4巻に出てくる語句の意味と説明です。ご参考にしてください。
【語句の意味と説明】
動物解放同盟(ALA)
ALAは、[ Animal Liberation Alliance(動物解放同盟)]の頭文字を取った略称です。ALAは、研究材料にされている動物たちを解放するなど、動物愛護のために子供も含め人間を無差別に攻撃する極過激テロ組織。第1巻では研究所で実験中の妊娠しているメスのチンパンジーを保護し、彼女からチャーリーが生まれます。肉食者・動物搾取者を憎む「動物解放同盟(ALA)」は、チャーリーを使って、彼らの目的である動物開放を達成しようと計画します。彼らの目的はチャーリーを動物たちのリーダーとすることだったのです。
ストラルド研究所
グロスマン教授のいた研究所。グロスマン教授は遺伝学上のチャーリーの父親。
●動物解放同盟(ALA):Animal Liberation Alliance(動物解放同盟) 、動物愛護のために子供も含め人間を無差別に攻撃する極過激テロ組織。
●ストラルド研究所:遺伝学上のチャーリーの父親であるグロスマン教授のいた研究所。
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第18話 無主物
第19話 所有権の移転
第20話 性的二形
第21話 LITTLE SHOP OF HORRORS
第22話 WILL