『THE LAST TV』監視モニターの男は誰?「その節はどうも」のハッカーの正体

監視モニターを操作する男性を複数の捜査員が囲み、その正体を問いかける画像

『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』には、捜査本部の監視モニターを準備し、鳥飼誠一に「あ、その節はどうも」と声をかける男性が登場します。ほんの短い場面ですが、過去作を知っていると意味が変わる再登場です。

結論からいうと、監視モニターの男は岩井秀人(いわい・ひでと)さんが演じるV-CUBEエンジニアです。その正体は、『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』に登場した「クラッカーの若者」と考えて間違いありません。以下、軽いネタバレを含めて「その節」が指す出来事を解説します。

スポンサーリンク

監視モニターの男はV-CUBEエンジニア

男性が現れるのは、湾岸署が事件の捜査と王明才の結婚式を同時に進めるなか、映像を使った監視体制を整える場面です。男性はモニターの前で作業し、映像が出たことを報告した直後、鳥飼に「その節はどうも」とあいさつします。

この人物は新しい刑事でも、今回の事件の容疑者でもありません。公開されているキャスト情報での役名は「V-CUBEエンジニア」。岩井秀人さん本人が公開している俳優活動歴では「V-CUBE社員」と記載されています。

演じているのは岩井秀人さん

岩井秀人さんは、俳優として映像作品に出演する一方、劇作家・演出家としても活動してきた人物です。2003年に劇団ハイバイを結成し、舞台作品の作・演出も数多く手がけています。

岩井さん本人の活動歴には、『THE LAST TV』の「V-CUBE社員」と、『THE MOVIE3』の「クラッカー」の両方が掲載されています。つまり、よく似た別人ではなく、同じ俳優による意図的なつながりだと確認できます。

スポンサーリンク

正体は『踊る3』に登場したクラッカーの若者

映画『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』に登場する「クラッカーの若者」

岩井さんが先に登場したのは、2010年公開の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』です。新湾岸署のセキュリティーが乗っ取られ、署内が封鎖状態になった際、警察はコンピューターに詳しい「クラッカーの若者」に解除への協力を求めます。

この場面で鳥飼は、協力が成功したら一流企業への就職を世話するという趣旨の条件を提示します。若者はシステムを正面から破るのではなく、電源を落とすという現実的な手段を提案し、事態の打開に関わりました。

作品役どころ担った仕事鳥飼との接点
『THE MOVIE3』クラッカーの若者新湾岸署の封鎖解除に協力成功時の就職支援を提示される
『THE LAST TV』V-CUBEエンジニア捜査用モニターの映像を準備「その節はどうも」と礼を伝える

検索では「ハッカー」でも、作中の役名は「クラッカー」

視聴者からは「ハッカーの男」と呼ばれることが多いものの、『THE MOVIE3』での役名は「クラッカー」です。一般にハッカーはコンピューター技術に詳しい人を広く指し、クラッカーはその技術を不正侵入などに使う人物を指します。本作では、警察に身柄を確保されていた犯罪者という立場を表す呼称になっています。

スポンサーリンク

「その節はどうも」は就職の約束へのお礼と考えるのが自然

ここからは、劇中の情報をつないだ考察です。『THE LAST TV』では、鳥飼が実際にどの会社へ紹介したのか、男性がどのような経緯で就職したのかまでは説明されません。

ただし、同じ岩井秀人さんが演じる人物が、クラッカーから企業のエンジニアへと立場を変え、鳥飼にだけ「その節はどうも」と礼を述べています。したがって、鳥飼が『THE MOVIE3』で提示した就職支援が実現したことを示す台詞と読むのが最も自然です。

「その節」とは、単に新湾岸署の事件で顔を合わせたことだけでなく、能力を生かせる仕事につながった一連の出来事を指しているのでしょう。わずかな台詞で、前作後の人生まで想像させる仕掛けになっています。

スポンサーリンク

なぜ監視モニターの男の正体に気づきにくい?

気づきにくい最大の理由は、登場時間が短く、個人名も呼ばれないことです。さらに、前作では「クラッカー」、本作では「V-CUBEエンジニア」と役名も外見上の立場も変わっています。『THE MOVIE3』から『THE LAST TV』までは作品発表時点で約2年空いているため、前作の小さな役を覚えていないと台詞の意味を拾いにくい場面です。

一方で、正体を知ると「あ、その節はどうも」という短いあいさつだけで、鳥飼が約束を放置しなかったことや、若者が技術を仕事に生かしていることが見えてきます。物語の本筋を止めずに過去作との連続性を示す、『踊る大捜査線』らしい小ネタです。

スポンサーリンク

再登場が示す『踊る大捜査線』らしさ

シリーズでは、主役だけでなく一度登場した脇役のその後が、後の作品でさりげなく描かれることがあります。今回の男性も、前作では警察に協力させられる側でしたが、本作では専門技術を持つ仕事人として捜査を支えています。

これは犯罪歴のある若者の更生を詳しく描くエピソードではありません。それでも、能力の使い道と社会での立場が変わったことを数秒で伝えています。ファンサービスにとどまらず、登場人物の時間が作品の外でも続いていたと感じさせる再登場です。

スポンサーリンク

まとめ

『THE LAST TV』で監視モニターを準備していた男性は、岩井秀人さんが演じるV-CUBEエンジニアです。『THE MOVIE3』で新湾岸署の封鎖解除に協力した「クラッカーの若者」と同じ人物で、「その節はどうも」は鳥飼との過去を示しています。

就職までの具体的な経緯は作中で明言されません。しかし、『THE MOVIE3』で鳥飼が提示した就職支援と、『THE LAST TV』で企業のエンジニアとして働く姿をつなげれば、約束が実現したことへのお礼と考えるのが自然です。短い場面だからこそ、シリーズを見続けた人が気づける粋な伏線回収になっています。

関連記事

参考資料