『VIVANT』で、パソコンを操る天才ハッカー「ブルーウォーカー」こと太田梨歩(おおた りほ)。次々とキーを打つ手元を見て、どのように撮影しているのか気になった方もいるのではないでしょうか。
太田を演じる花岡すみれさんは、パソコン操作の基本から学び、セリフに合わせてEnterキーを押すタイミングまで決めて演じていたと明かしています。通信相手と別々に撮影し、スタッフの代読に合わせて会話する場面もあったそうです。
この記事では、2026年10月7日公開のTBS NEWS DIGの本人インタビューをもとに、操作と芝居を結び付ける工夫を整理します。機材や合成技術の解説ではなく、花岡さんが語った演技・撮影の段取りに注目した記事です。
※第2シーズンの役柄と、第20話の操作場面に関する報道に触れます。作戦の結末など、物語の核心は扱いません。
花岡さんは、役に取り組む前にはパソコンを使う機会がほとんどなかったと説明しています。用語や手を置く位置から教わり、現場でも指導を受けながら身に付けていったそうです。
天才ハッカーを演じる俳優が、もともとパソコンの熟練者だったというわけではありません。人物の専門性を画面にどう表すか。そのために、操作の基礎も役作りの一部として学んでいたことが分かります。
インタビューで具体的に語られているのが、Enterキーの段取りです。花岡さんによると、セリフの後の切り替えに合わせて、押すタイミングを細かく決めていました。
ここから読み取れるのは、速く打つ動きだけでなく、会話と操作をつなぐ「間」も芝居として組み立てていたということです。指が動いている時間ばかりに注目しがちですが、いつ操作を終え、いつ相手に応えるかも、場面を理解する手掛かりになります。
出典:TBS NEWS DIGの花岡すみれさんインタビュー(2026年10月7日)。以下の別撮りや役作りの説明も、同じインタビューに基づきます。
なお、この記事からは手元の代役、CG、操作画面の合成の有無までは確認できません。第20話の全キー操作や、実際のハッキング手順との一致も、今回の資料では分からない部分です。
花岡さんは、他の出演者と別に撮影する際、基本的にはスタッフが相手のセリフを読み、やり取りしていたと話しています。放送を見て、乃木との会話としてつながっていることを実感したそうです。
難しかったのは、モニターの向こうで起きている出来事の規模や、会話のテンポを想像すること。監督からは爆発の大きさに加え、声量や話す速さについても指導を受けたといいます。
この撮影方法を踏まえると、太田の通信場面には二つの仕事が重なっていると考えられます。目の前のパソコンを操作することと、離れた場所にいる相手の状況に反応することです。
たとえば映像を見る際、操作が続いている途中で声の調子が変われば、太田の意識が相手側へ向いた可能性を考えられます。実際にどのような変化があるかを確かめながら見ると、手元だけでは拾えない芝居にも目が向くでしょう。これは撮影談を踏まえた、本記事の鑑賞の視点です。
別撮りの説明は、紹介された撮影場面についてのものです。乃木との全場面を同じ方法で撮った、という意味ではありません。
花岡さんが意識したのは、キーボードを操作していないときの手元にも、太田の心情を込めることでした。また、長いデスクワークによる腰の痛みを感じさせる姿勢についても、監督から具体的な指導があったと語っています。
この話からは、太田を「便利な能力を持つハッカー」としてだけでなく、感情や身体の負担がある人物として表そうとする姿勢がうかがえます。
本記事では、太田の場面を次の三つに分けて見ると、役作りが分かりやすくなると考えます。
これは制作側が示した分類ではなく、インタビューから整理した見方です。特定の仕草に必ず一つの意味があると決め付けず、前後の会話と合わせて見ることが大切でしょう。
2026年10月18日の週刊女性PRIMEの報道では、10月11日放送の第20話について、キーの押し方に違和感を持ったSNSの反応が紹介されています。ただし、これは一部の投稿を紹介したもので、視聴者全体の評価を示す調査ではありません。
ここで押さえたいのは、本人のインタビューは10月7日公開で、第20話の放送や後日の報道より前だという点です。批判を受けて本人が釈明したインタビューではありません。
また、現場で指導があったことと、完成映像を見た人が操作を自然に感じるかどうかは、別の問いです。本人の撮影談を知ったうえでも違和感が残ることはあり、逆に一部の感想だけから、指導の有無を判断することもできません。
演技の工夫を知ることは、映像への評価を一つに決めるためではなく、評価するときの材料を増やすことだと考えます。「操作はどう見えたか」と「人物の感情は伝わったか」を分けて振り返ると、自分が気になった点も整理しやすくなります。
『VIVANT』の太田梨歩を演じる花岡すみれさんは、操作の基礎を学び、セリフに合わせたEnterキーの段取りや、別撮りでの会話に取り組んでいました。さらに、操作を離れた手元や姿勢にも、太田という人物を表す工夫があったと説明しています。
次に太田の場面を見るときは、タイピングの速さに加えて、手が止まった瞬間や、通信相手に応える声の変化にも注目してみてはいかがでしょうか。ハッカーとして働く姿と、その仕事を担う一人の人物としての姿を、違う角度から楽しめそうです。
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