『VIVANT』の海外ロケ地として話題のバクー。街の景色に現れる、炎のように曲がった高層ビルが気になった方もいるのではないでしょうか。
あの建物の名前は、フレイム・タワーズ。アゼルバイジャンの首都バクーに実在する、3棟の高層ビルです。
2026年9月27日のTBS『世界遺産』では、VIVANTの撮影が行われた宮殿や浴場とともに、バクーの新旧の街並みが取り上げられました。ただ、番組に登場する建物がすべて世界遺産というわけではありません。ビルの正体と、歴史的なロケ地との違いを整理します。
フレイム・タワーズは、炎をかたどった曲線が特徴の建物群です。アゼルバイジャン政府観光局の公式案内でも、バクーを代表する現代建築として紹介されています。
特徴的なのは、1本の塔ではなく3棟で構成されていること。建物の輪郭を覚えておくと、バクーの街を映した映像でも見つけやすくなります。
観光局によると、1棟にはホテル「フェアモント・バクー」が入り、残る2棟には住宅とオフィスがあります。ドラマ用の巨大なセットではなく、人が泊まり、暮らし、働く場所なのです。
画面では外観の印象が強いため、展望塔や記念碑のようにも見えます。しかし、実際には複数の用途を持つ高層ビルだと知ると、風景の見え方も少し変わります。
▼『VIVANT』でフレイム・タワーズが映し出されるのは、第2シーズン・第18話の冒頭の堺雅人さん演じる主人公の乃木憂助が、ゴルバド共和国での別班員奪還作戦へ向かう経由地として、アゼルバイジャンの首都バクーに到着したシーンで登場します。
観光局は、タワーズの炎の形を、かつて火を崇拝する中心地だったバクーの歴史と結び付けて説明しています。夜には外壁のLEDによって、炎を思わせる光の演出も行われます。
つまり、奇抜な形だけを狙った建物と見るよりも、土地の歴史を現代の建築で表したものと捉えると分かりやすいでしょう。
ここからは映像の見方についての考察です。昼間の曲線的な外観と夜の光の演出では、同じ建物でも受ける印象が変わります。ドラマの背景を見る際にも、「珍しいビルがある」で終わらず、街が何を象徴として掲げているのかに目を向ける楽しみがあります。
ここは混同しやすい点です。2000年に世界遺産登録されたのは、城壁都市バクーとシルヴァンシャー宮殿、乙女の塔です。フレイム・タワーズは、この登録対象とは別の現代建築です。
ユネスコの説明では、旧市街に12世紀の城壁が多く残り、宮殿や塔などが街の歴史を伝えていることが分かります。バクー全域が一括して世界遺産になっている、と考えるのも正確ではありません。
| 場所・建物 | 押さえたい違い |
|---|---|
| フレイム・タワーズ | 炎の形をした現代の高層ビル群 |
| 城壁都市バクー | 世界遺産に登録された歴史的な市街地 |
| シルヴァンシャー宮殿 | 世界遺産を構成する宮殿。TBSがVIVANTの撮影場所として紹介 |
『世界遺産』という番組名と、番組内に映る景観を分けて考えるのがポイントです。古い街と新しいビルを一緒に見せることで、その土地の現在の姿も伝わります。
TBSの9月25日付発表では、阿部寛さんの登場シーンが撮影された場所として、シルヴァンシャー宮殿と敷地内のハマム(伝統浴場)が紹介されています。
炎のビルが目立つ都市の遠景と、登場人物が歩く歴史的な空間。この2つを分けておくと、「バクーがロケ地」という説明から、もう一歩具体的に場面を理解できます。
ただし、タワーズの外観が映ることと、建物内部で撮影されたことは別です。今回確認した公式資料だけでは、タワーズ内部の撮影や個々の室内場面との対応までは断定できません。
ここからは、確認できた建物の特徴を踏まえた考察です。バクーの面白さは、歴史的な街並みと現代の高層ビルが、同じ都市の風景として共存している点にあります。
古い宮殿だけなら歴史のある街、ガラスの高層ビルだけなら近代都市という印象になりやすいでしょう。両方を知ると、VIVANTの背景にも一種類のイメージでは捉えられない奥行きが感じられます。
もちろん、これが制作側のロケ地選定理由だったと公表されているわけではありません。また、建物の炎の形を物語の伏線と結び付ける根拠も、今回の資料では確認できません。まずは実在する街の特徴として楽しむのが自然です。
VIVANTのロケ地・バクーにある炎の形のビルは、フレイム・タワーズです。ホテル・住宅・オフィスとして使われる現代建築で、世界遺産に登録された城壁都市や宮殿とは区別する必要があります。
9月27日の『世界遺産』で扱われたロケ地を振り返るなら、「都市の目印となる炎のビル」と「阿部寛さんの登場シーンが撮られた宮殿・浴場」を分けて見るのがポイントです。建物の名前を知るだけで、ドラマの背景にも新しい楽しみ方が生まれます。