2026年9月22日、競泳の小島夢貴(こじま・ゆめき)選手がアジア大会の男子400m個人メドレーで金メダルを獲得しました。タイムは4分07秒02の大会新記録。2位の松下知之選手に2.62秒差をつけての優勝です。
小島選手は豊川高校3年生の17歳。大会2日前には男子200m個人メドレーで松下選手にわずか0.06秒差で敗れ、銀メダルでした。今回の金は突然現れた結果なのでしょうか。高校時代からの400mの記録を追うと、その歩みが見えてきます。
日本水泳連盟のアジア大会代表一覧によると、小島夢貴(こじま・ゆめき)選手は2008年生まれの17歳。愛知県の豊川高校に通う3年生で、コパンスポーツクラブ豊川に所属しています。代表一覧での種目は個人メドレーです。
個人メドレーは、一人の選手がバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形をこの順で泳ぐ種目。400mでは各泳法を100mずつ泳ぎます。得意な泳ぎだけでなく、4種目を通した速さが問われます。
豊川高校の発表によると、小島夢貴(こじま・ゆめき)選手は高校2年だった2025年7月、東海高校総体の男子400m個人メドレーで4分09秒38を記録し、世界ジュニア記録を更新。同校は背泳ぎでリードを広げ、平泳ぎでも勢いを保ったと伝えています。
2026年3月の日本選手権では、同じ400m個人メドレーを4分08秒84まで縮めて2位。豊川高校は、この記録を世界ジュニア新記録・日本高校新記録と発表し、アジア大会代表への内定も知らせました。200m個人メドレーも1分56秒53で2位となり、こちらも世界ジュニア新・日本高校新を記録しています。
2025年7月の4分09秒38から、2026年3月の4分08秒84へ0.54秒。そして9月のアジア大会で4分07秒02へ、春の記録からさらに1.82秒短縮しました。2025年夏からの約1年2か月では2.36秒の前進です。これは3つの別々の大会のタイムを比較した数字であり、一度のレースで2.36秒更新したという意味ではありません。
アジア大会の最初の対戦は9月20日の男子200m個人メドレーでした。松下選手が1分55秒30、小島選手が1分55秒36。日本勢が金・銀を獲得しましたが、小島選手にとっては0.06秒差の惜敗でした。TBSの取材に対し、小島選手は最後に失速したことを振り返り、400mでは勝ちたいと語っています。
その2日後の400m個人メドレー決勝でも、相手は松下選手でした。TBSのレース報道では、序盤は松下選手が先行。小島選手は平泳ぎで差を詰め、最後の自由形で逆転してトップでフィニッシュしました。200mと400mは距離の異なる別種目ですが、同じ2人の順位が入れ替わったことが、今回の決勝を印象深いものにしています。
今回の4分07秒02は、萩野公介さんが2014年のアジア大会で出した4分07秒75を0.73秒上回る大会新記録です。大会記録はアジア大会という大会の歴代最速タイムを指します。日本記録や世界記録と同じ意味ではありません。
決勝では松下選手が4分09秒64で銀、汪順選手(中国)が4分14秒59で銅メダルでした。小島選手は金メダルに加え、長く残っていた大会記録も塗り替えたことになります。
なお、小島選手の父・貴光さんも、2006年ドーハ大会の競泳リレーで金メダルを獲得しています。小島選手自身の金により、親子でアジア大会の頂点に立ったという歩みも生まれました。ただ、今回の泳ぎを理解するうえでまず注目したいのは、小島選手本人が積み重ねてきたタイムです。
小島夢貴(こじま・ゆめき)選手のアジア大会金メダルは、2025年夏の4分09秒38、2026年春の4分08秒84と伸ばしてきた400m個人メドレーの先にあります。9月20日の200mでは松下選手に0.06秒差で銀。22日の400mでは4分07秒02の大会新記録を出し、金メダルをつかみました。
「大会新」は萩野さんの旧記録を0.73秒更新したこと、「金」は決勝で松下選手らを抑えたことを意味します。2つの結果を分けて見ると、17歳の小島選手が今大会で成し遂げたことが、よりはっきり分かります。