『室井慎次 敗れざる者』を見て、レインボーブリッジの話になると室井が封鎖できなかったと返すやり取りが、気になった人もいるのではないでしょうか。過去作では、最後に橋を封鎖していたような記憶もありますよね。
この疑問は、封鎖を求めた当初と、犯人を確保した終盤を分けると整理しやすくなります。映画専門媒体の解説では、当初は手続きが壁になった一方、終盤には封鎖状態になっていたと説明されています。
では、室井はなぜ訂正を繰り返すのでしょうか。やり取りの相手と過去作の結末を確認し、セリフの意味を考察します。この記事には『室井慎次』と『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』のネタバレを含みます。
レインボーブリッジは最後まで封鎖できなかったのか?
まず、室井の返答だけを根拠に、橋は最後まで封鎖されなかったと受け取るのは適切ではありません。
シネマトゥデイの2024年12月28日付解説は、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』について、捜査初期には手続きの複雑さで封鎖できず、犯人確保の段階では封鎖状態だったと整理しています。
| 分けて考えたい場面 | 同媒体の解説で確認できること |
|---|---|
| 捜査初期 | 封鎖しようとしても、手続きが障害になった |
| 犯人確保の段階 | 橋は封鎖状態になっていた |
つまり、途中でできなかったことと、最後にどうなったかは別の話です。「封鎖できない」という印象が強くても、それだけで事件全体の結末までは説明できません。
ただし、この時系列だけでは、室井が後年になって封鎖できなかったと返す理由までは確定しません。橋の状態を確認することと、セリフの意図を読み解くことは分けて考える必要があります。
セリフは3回?返答する相手として紹介されている3人
同じシネマトゥデイの記事は、緒方薫(甲本雅裕さん)、新城賢太郎(筧利夫さん)、桜章太郎(松下洸平さん)の3人が、それぞれ橋の封鎖に触れ、室井がそのたびに「封鎖はできなかったが」と返すと紹介しています。
したがって、やり取りの相手として3人が挙げられていることは資料で確認できます。一方、この記事は『敗れざる者』と『生き続ける者』の両方を扱っており、3場面の所在や順番を個別に示してはいません。
そのため、本記事では『敗れざる者』のテレビ放送版だけで正確に3回だった、とまでは断定しません。回数を数える疑問と、なぜ同じ趣旨の返答を繰り返すのかという疑問を分けて整理しています。
なぜ封鎖できなかったと訂正する?考えられる2つの見方
今回確認した資料の範囲では、この返答を繰り返す理由について、監督や脚本家による明確な説明は見つかりませんでした。ここからは、紹介されているやり取りを踏まえた作品の解釈です。
同じ返答を繰り返すことで、過去作を知る人に笑いを生む
一つは、過去作の有名なセリフを思い出させる、繰り返しの笑いとして読む見方です。
相手は事件を説明するために橋の封鎖を持ち出しているのに、室井は話をそのまま進めず、そこを訂正する。相手が変わっても同じやり取りになると、観客は次の返答を予想できるようになります。
面白さがあるとすれば、封鎖手続きの厳密な説明よりも、周囲が語る事件の印象と、本人が気にしている点のずれでしょう。短いやり取りで過去作とのつながりを感じさせる仕掛け、と考えられます。
大ざっぱな説明を受け流さない、室井らしい律儀さ
もう一つは、相手の説明を細かく訂正してしまう姿に、室井の律儀さが表れているという見方です。
周囲にとっては、どの事件か伝われば十分なのかもしれません。しかし、当事者である室井には、ひと言で片づけられない経緯がある。そう受け取ると、ぶっきらぼうな返答にも人物らしさが感じられます。
ただし、室井が当初の難航だけを指しているのか、別の意識で訂正しているのかは、このやり取りだけでは決められません。「英雄扱いされたくないから」「功績を否定しているから」と心情を一つに限定するのも、根拠が足りません。
正式には失敗、強行して成功という説明は確定している?
「正式な手続きでは封鎖できなかったが、室井が強行して封鎖した」と考えれば、二つの話がつながるようにも見えます。
しかし、今回確認した解説だけでは、封鎖に至る具体的な指示や承認の経路、室井の返答との因果関係までは裏づけられません。正式・非正式の違いが、このセリフの公式な答えだとは言えません。
時系列の整理はできますが、それによってセリフの意味が完全に解けたわけではない、というのが現時点での結論です。ここを区別すると、過去作の結末を取り違えずに、室井の言い方を楽しめます。
現実の通行止めと、映画の封鎖できない設定は別
補足として、めざましmediaは2024年4月16日付の記事で、『ネプリーグ』で紹介された制作時の取材の話を伝えています。
その説明によると、脚本を進める過程で、警察が必要とすれば通行止めにできると分かったものの、映画の見せ場を保つために封鎖が難航する設定を残したそうです。
これは番組内で紹介された制作背景の話であり、『室井慎次』の返答の意図を制作陣が説明したものではありません。現実に通行止めが可能かどうかを、そのまま劇中の矛盾への答えにすることはできないのです。
まとめ
レインボーブリッジの疑問は、事件の途中と結末を分けると理解しやすくなります。ただし、それだけで室井の返答の意図まで確定するわけではありません。
繰り返しの笑い、過去作への目配せ、室井の律儀さ。そうした読み方を楽しみつつ、正式な手続きとの違いなどは確定設定として扱わないことが大切です。
同じ事件でも、周囲の語り方と本人の受け止め方は少し違う。そのずれに目を向けると、短い返答が室井らしいやり取りとして見えてきます。
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参考資料
- シネマトゥデイ:『室井慎次』と「踊る大捜査線」過去作のつながりを解説(2024年12月28日。セリフと過去作の展開を扱う二次資料)
- めざましmedia:『ネプリーグ』で紹介されたレインボーブリッジの制作背景(2024年4月16日。番組内解説の公式紹介)
- フジテレビ:映画『室井慎次 敗れざる者』番組公式ページ(放送日時・登場人物の確認)















