異色のクリエーター・雨穴(うけつ)さんの「変な家」第2弾である「変な家2」のあらすじ、ネタバレ、感想、考察を解説します。
小説「変な家2」は、11の間取りに秘められた謎が最後につながるという「間取りミステリー」です。
著者であり主人公の雨穴さんが、謎を解くべく奮闘します。
目次
雨穴さんの「変な家2」とは?
▼雨穴(うけつ)さんの登場シーンは、お面と黒づくめの服といった風貌の謎に包まれた姿です。不気味です。
雨穴(うけつ)さんとは、ウェブライター、ホラー作家、YouTuberで、すべてが謎に包まれたお面クリエイターです。
本名や素顔だけでなく、地声も非公開で、声は女性っぽく変声してますが、体形からして男性のようです。
その雨穴さんの「変な家2」は、2023年12月に発売されたホラー小説です。
「変な家」の続編で、前作と同じく、雨穴さんが実際に訪れた不思議な家を題材にしています。
なんせ本の主人公、つまり雨穴さんは「変な間取り図を集めるのがライフワーク」としています。
「変な家2」は、前作よりもさらに奇妙で不気味な家で、雨穴さんはさまざまな恐怖体験をします。
「変な家2」は、雨穴さんのホラー小説ファン必見の作品です。
雨穴さんの作品は、ただの物語では終わりません。
人間関係の複雑さ、家族の絆の強さ、そして時にはそのもろさを描き出し、読者に深い印象を残します。
「変な家2」に込められたメッセージを解き明かし、その魅力を存分に伝えられるよう、本記事を通じて皆さんに紹介していきます。
また、雨穴さんのYouTubeチャンネルで、「変な家」「変な家2」の動画も公開されています。
ぜひ、雨穴さんの「変な家2」を読んで、恐怖体験を味わってみてください。
こちらは、新刊「変な家2~11の間取り図」のYouTube版です。
雨穴さんの「変な家2」ネタバレ:あらすじ
※「変な家2」のネタバレを含みますので、小説を読まれていない方は、小説を読み終えた上で読み進めることをおすすめします。
「変な家2」は、前作「変な家」の不思議で魅力的な世界をさらに深める物語です。
家の間取りミステリーという形式で話が進みます。
Amazonから概要と目次をお借りします。
雨穴最新作!『変な家』第2弾!
14万字超、完全書き下ろし!
あなたは、この「11の間取り」の謎が解けますか?
前作に続き、フリーライターの筆者と設計士・栗原のコンビが
不可解な間取りの謎に挑む。
1「行先のない廊下」
2「闇をはぐくむ家」
3「林の中の水車小屋」
4「ネズミ捕りの家」
5「そこにあった事故物件」
6「再生の館」
7「おじさんの家」
8「部屋をつなぐ糸電話」
9「殺人現場へ向かう足音」
10「逃げられないアパート」
11「一度だけ現れた部屋」
「栗原の推理」
すべての謎が一つにつながったとき、きっとあなたは戦慄する!
「11冊の資料を持ち、知人の設計士のアパートに向かって歩いていた。」で奇妙な物語は始まります。
1「行先のない廊下」
ある人物から、フリーライターの筆者・雨穴さんにメールで相談が持ち込まれます。
ある人物とは、根岸弥生さん、30代のパートタイマー。
問題は、根岸さんと両親の部屋の間にある廊下が必要がないのではないか!? 廊下の行先は窓もなくドアもなく、何もないです。まさに「行先のない廊下」なのです。
子供のころから、根岸さんは、今は亡きお母さんから「避けられている」と感じてました。また、常々「体の痛みはない?」と聞き、過保護に扱われてましたし、出生時には母の胎内で死にかけたらしいとのことです。母は娘に対して複雑な感情を持っていたようです。
さらに、家の建築時に家の前の大通り(道路)に面した場所に花が飾られた花瓶、そして、家の押し入れには足と手が折られた人形がありました。
・
・
・
・
「行先のない廊下」の謎は、30年前の家の前で起きた交通事故に起因するものでした。
さらに、「根岸さんの部屋」をなくしてほしいという母の希望とは何だったのか?
話は、いくつか謎を残したまま、次章へと続きます。
2「闇をはぐくむ家」
特殊清掃作業者の飯村達之さんへの取材。
特殊清掃とは孤独死や事故死のあった部屋を清掃する仕事。
飯村達之さんは、事件の後始末、つまり特殊清掃を行った人物であった。
津原少年16歳が凶行に及んだ事件。少年は実の母、祖母、弟を死に追いやった。
陰惨な事件の背後には、津原家の間取りに問題があるらしい。
飯村さんが語るには、一階の間取りは家族間の衝突がおこりやすく、二階の間取りは家族には落ち着かないような設計になっていると。
悲劇の元をたどっていくうちに、雨穴さんは家の建築設計施工販売をおこなったヒクラハウスの社長のおぞましい過去にたどり着く。
そして、津原家惨殺事件の陰惨、すべてが住み心地の悪すぎる家の間取りがおこしたものであるのでしょうか?
3「林の中の水車小屋」
雨穴さんは、1940年に出版された古い日記本である紀行文集をある事情により手にしたとのこと。
その本の一節に、祠(ほこら)と水車小屋の記述があり、その部分が非常に不気味であることを発見した雨穴さん。
壁と水車の関係、壁の先にあるへこみ、へこみの先にある祠(ほこら)、それらにはある秘密が隠されているのか?
第1章、第2章、第3章への謎を残しながら、そこからまた次章へと奇妙な物語は進んでいくのです。
4「ネズミ捕りの家」
▼この章の主人公・早坂詩織さんのイメージ。
早坂詩織さんはウェブアプリ制作会社の経営者で「やり手の女社長」。
中学生のころのある日、早坂さんは友達のミツコさんの家にお泊りすることになった。
ミツコさんとお祖母さんが住む豪邸には、変な間取りがあった。
それはトイレと階段のところ、トイレのドアの開け閉めの間(スペース)のすぐ先には、階段があり、トイレのドアのすぐそばに人がいて、ドアを開くと、階段から転落しそうな変な間取り。
そして事件はおこった。
トイレのドアに押されたのか、足の悪いお祖母さんは階段から転落して亡くなったのだ。
設計したのはミツコさんの父、意図的にこんな変な間取りを作ったのか!?
5「そこにあった事故物件」
この章の主人公である平内さんは、事故物件に興味があり、全国の事故物件スポットを訪れたり、マップで場所を探り当てたりしていた。
そして、平内さんは、自分が購入した家が、ネットの事故物件アプリで事故物件であることを知ってしまうのであった。
その家は80年ほど前に女性の遺体があったとされるものだった。
さっそく現地に赴き、調査する雨穴さんたち。
しかし現地の古い情報は現地でしか手繰り寄せることしかできす、誰が何のためにローカルな事故物件情報を事故物件アプリに投稿したのか、あらたな謎が生まれた。
取材を終えた一行は、平内さん宅へ戻ることになった。
一泊する予定で平内さん宅に入った雨穴さんは、ある一室の部屋の異様さに気づく。
部屋を狭くする空間が余分にとってあったのだ。
何かに似ている、それは第3章「林の中の水車小屋」に出てくる水車小屋は平内さん宅に一室ではないのか?
平内さん宅の真相はこうだった。水車小屋を増築して倉庫を作った。そして2階を付け足し民家にした。
しかし、いったい誰が何のためにこういうことをしたのか?
続きは後編へ
第6章「再生の館」から最終章「一度だけ現れた部屋」および「栗原の推理」
6「再生の館」
7「おじさんの家」
8「部屋をつなぐ糸電話」
9「殺人現場へ向かう足音」
10「逃げられないアパート」
11「一度だけ現れた部屋」
「栗原の推理」
および
「主な登場人物」
「テーマと隠された意味」
ぜひ「後編」をお読みいただければと思います。