※以下、『VIVANT』第14話と第18話の重要なネタバレを含みます。
『VIVANT』第18話で、タイ警察に撃たれて死亡したはずの新庄浩太郎(竜星涼さん)が、別班奪還チームの一員として姿を現しました。
結論からいうと、新庄が生き返ったわけではありません。乃木憂助らが、銃撃から遺体確認、火葬までを見越して死亡を偽装していたのです。
第14話で不自然に映った「少し太った」「首元のガム」「検死をしない」という描写も、第18話で一つの作戦としてつながりました。ここでは、偽装の全手順と協力者、新庄を生かした乃木の狙いを整理します。
新庄は、別班が用意した特殊な防弾装備を身につけて銃撃に備えていました。さらに、別人の腐敗した遺体へ新庄の顔を再現したマスクをかぶせ、その遺体を「新庄」として日本へ運ばせています。
一方、本物の新庄は別名義のパスポートでタイを脱出し、ベトナムで療養していました。そして乃木から別班員奪還作戦への協力を求められ、バルカへ向かったのです。
つまり、第14話で描かれたのは処刑ではなく、「公安捜査官・新庄浩太郎」を社会的に死亡させる作戦でした。
| 段階 | 表向きの出来事 | 実際の仕掛け |
|---|---|---|
| 1 | 新庄を日本へ護送 | 事前に顔型を取り、防弾装備を着用させる |
| 2 | タイ警察の銃撃で重傷 | ドン警察局長が防護を厚くした胸部を狙う |
| 3 | 病院で死亡確認 | 協力者の管理下で死亡したことにする |
| 4 | 遺体を日本へ移送 | 腐敗した別人の遺体に新庄のマスクをかぶせる |
| 5 | 日本で検死せず火葬 | 身元を再確認する機会をなくし、偽装を完成させる |
この作戦には、乃木だけでなく、長野専務のエージェント・ゲルン、現地警察のドン局長、公安部長の佐野雄太郎らが関わっていました。病院、遺体移送、日本側の処理まで押さえなければ成立しない、大がかりな連携です。
ここが重要です。新庄の生存は偶然ではなく、最初から複数の組織と人物を動かした計画でした。
護送前、新庄の首元にはガムのような物が付着していました。第14話の時点では正体が明かされませんでしたが、第18話の説明によって、替え玉の遺体に使うマスクを作るため、顔型を取った際の素材だったと分かります。
何げない汚れに見せながら、後に遺体の顔をすり替える仕掛けを示していたわけです。
公安の脇坂は、久しぶりに会った新庄を見て、少し太ったという趣旨の言葉をかけました。実際には体重の変化ではなく、服の下に防弾装備を仕込んでいたため、体が厚く見えていました。
視聴者には軽い会話として聞かせながら、銃撃を受けても致命傷を避けられる準備を示していたのです。
日本へ届いた遺体は腐敗が進み、佐野部長は詳しい検死をせず、火葬へ進めました。通常なら本人確認の甘さが気になる場面ですが、佐野部長も協力者だったと分かったことで意味が反転します。
遺体が別人だと発覚する検査を避け、証拠となるマスクごと処理するための最後の一手だったと理解できます。
新庄は公安を裏切り、ノゴーン・ベキの脱獄を手助けした人物です。それでも乃木が命を救ったのは、単に新庄を許したからではないでしょう。
第14話までに、新庄は黒須ら5人の別班員をシンシーへ売った犯人ではないと判明しています。さらに、逃亡と引き換えに日本の機密を渡すよう求められても拒み、別班の存在を必要だと考えていました。
ここからは考察ですが、乃木は新庄を「罪はあるが、日本そのものを売った人物ではない」と見極めたのではないでしょうか。
そのうえで、公安に戻れない新庄の過去を消し、別人としてノコルの右腕に据える。これは救済であると同時に、公安捜査官とテントのモニター、両方の経験を持つ人材を生かす戦略でもあります。
乃木の狙いは、新庄を無罪にすることではありません。表の世界では死亡した人物として責任を負わせながら、残った能力を別班員救出に使わせる、新しい生き方を与えたと考えられます。
乃木は、新庄を別人としてバルカへ渡らせ、ノコルの右腕になってもらうという方針を示しました。第18話で救出チームに加わったのは、一度限りの助っ人ではなく、その再出発の第一歩とみられます。
新庄は公安で培った捜査・情報収集能力に加え、テント内部の事情にも通じています。シンシーの本拠地へ潜入する後半戦では、敵の警戒網を読む役割や、乃木とノコルをつなぐ実務担当として重要になる可能性があります。
ただし、「ノコルの右腕」が正式な役職になるのか、任務後もバルカに残るのかは、現時点では確定していません。
第14話で散りばめられた違和感は、新庄をただ復活させるためではなく、「表の身分を捨て、別人として生き直す」という展開の準備でした。後半戦では、新庄がノコルの右腕としてどこまで作戦を支えるのかが新たな注目点になります。