2026年8月26日、濱口竜介監督の映画『急に具合が悪くなる』が、第99回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表に選ばれました。
ただし、現時点ではアカデミー賞にノミネートされたわけではありません。日本から出品する1作品に選ばれた段階で、この後に15作品のショートリスト、5作品の正式ノミネートという選考が待っています。
「日本代表」「ノミネート」「受賞」は何が違うのか。今後の日程と、フランス語中心の国際共同製作がなぜ日本代表になれるのかを整理します。
日本映画製作者連盟の発表によると、『急に具合が悪くなる』は申請8作品の中から、国際長編映画賞へ出品する日本代表に選出されました。
ここでいう日本代表は、米アカデミーが決めた候補作品ではありません。日本国内の選考委員会が、米アカデミーへ送る作品を決めたという意味です。
| 段階 | 作品数 | 『急に具合が悪くなる』の現在地 |
|---|---|---|
| 日本国内の代表選考 | 日本から1作品 | 選出済み |
| ショートリスト | 15作品 | 未決定 |
| 正式ノミネート | 5作品 | 未決定 |
| 受賞 | 1作品 | 未決定 |
したがって、「日本代表に決定」と「アカデミー賞候補にノミネート」は同じではありません。現段階を正確に表すなら、国際長編映画賞へ進む日本の出品作品です。
なお、米国のアカデミー賞と日本アカデミー賞は別の賞です。今回の発表は、2027年に授賞式が行われる米国の第99回アカデミー賞に関するものです。
第99回国際長編映画賞の公式規則では、予備投票で15作品へ絞り、次の投票で5作品を正式ノミネートにすると定めています。
現在発表されている主な日程は次の通りです。
| 日付 | 選考の節目 | 意味 |
|---|---|---|
| 2026年8月26日 | 日本代表に選出 | 国内選考を通過 |
| 2026年9月30日 | 国際長編映画賞の出品期限 | 米アカデミーへ必要資料を提出 |
| 2026年12月15日 | ショートリスト発表 | 15作品に入るか判明 |
| 2027年1月21日 | ノミネート発表 | 最終候補5作品に入るか判明 |
| 2027年3月14日 | 第99回授賞式・米国現地日 | 受賞作品が決定 |
つまり、次の大きな関門は2026年12月15日のショートリスト発表です。ここで15作品に残り、さらに2027年1月21日に発表される5作品へ進んで、初めて「アカデミー賞ノミネート」と呼べます。
日程は米アカデミーの公式発表に基づきますが、変更される可能性があります。
『急に具合が悪くなる』は、日本、フランス、ベルギー、ドイツによる国際共同製作です。作品公式サイトによると、濱口竜介監督にとって初の海外ロケ作品で、大半をフランスの俳優とフランス語の会話で撮影しています。
それでも、日本語だけで作られた映画でなければ日本代表になれない、という規則ではありません。
国際長編映画賞は、米国外で製作され、会話の半分を超える部分が英語以外である長編作品を対象としています。提出国・地域は、制作上の主導権が自国・地域の国民や居住者らに大きく担われていることも確認します。
本作は濱口監督が監督と脚本を担当し、日本の製作会社が参加しています。岡本多緒(おかもと たお)さん、長塚京三さん、黒崎煌代(くろさき こうだい)さんら日本人キャストも出演し、日本で刊行された同名の往復書簡を原作としています。
日本映画製作者連盟は個別の選定理由を詳しく公表していませんが、国籍や使用言語を一つに限定しない国際共同製作も対象に含めた選考だったと考えられます。ただし、米アカデミー規則への最終的な適格性判断は、同アカデミー側が行います。
濱口監督は『ドライブ・マイ・カー』でも日本代表に選ばれ、その後、国際長編映画賞を受賞しました。同作は作品賞、監督賞、脚色賞を含む4部門でノミネートされています。
『急に具合が悪くなる』も、第79回カンヌ国際映画祭でヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さんが女優賞を受賞するなど、すでに国際的な評価を得ています。米アカデミー賞を経験した監督の新作であることも注目材料です。
一方、過去の受賞歴が今回の結果を保証するわけではありません。各国・地域から作品が集まり、まず15作品、その後5作品まで絞られます。期待できる実績はあるものの、現在は日本代表に選ばれた段階と見るのが正確です。
『急に具合が悪くなる』は、第99回米国アカデミー賞国際長編映画賞の日本代表に選ばれました。
まず注目したいのは12月のショートリストです。「日本代表」「ノミネート」「受賞」の段階を分けて見れば、今後のニュースも誤解なく追えます。