『風、薫る』赤痢は史実?新潟の村と大関和の防疫を解説!

明治期の新潟の村と避病院を背景に、看護婦の後ろ姿と「赤痢流行は史実なのか?」の文字を描いたイラスト

※この記事は、2026年8月3日放送の第91回と、公開済みの第19週あらすじに触れています。8月4日以降の未放送内容は断定していません。

8月3日放送の朝ドラ『風、薫る』では、医師の黒川から赤痢が発生した村への同行を求められたりんが、防疫の現場へ向かう決意を固めました。

結論からお伝えすると、赤痢の流行に立ち向かい、避病院(ひびょういん)の衛生環境を改善した看護婦の活動には、りんのモチーフとなった大関和の史実が反映されています。

ただし、「新潟の特定の村で、黒川とりんが一緒に行動した」という細部まで、そのまま史実と確認できるわけではありません。『風、薫る』は実在人物をモチーフにしながら、人物名や出来事を物語として再構成した作品です。

避病院の読み方は「ひびょういん」です。明治時代に作られた、法定伝染病の患者を隔離・収容するための伝染病専門病院(伝染病院)の古称です。

 

 

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『風、薫る』の赤痢流行は史実なのか

朝ドラ「風、薫る」が描く日本看護のはじまり 先駆者・大関和と避病院(現在の隔離病棟)のサイトペ-ジ

ドラマと史実の関係を先に整理すると、次のようになります。

ドラマで描かれる要素史実で確認できること判断
りんが赤痢防疫に加わるりんのモチーフ・大関和は赤痢防疫で実績を残した史実が土台
新潟の村で赤痢が集団発生大関和が新潟で看護婦長を務めた時期に全国で赤痢が流行。教え子も新潟県内の防疫で活動した背景は史実。村の特定は未確認
村人が避病院(ひびょういん)や医療を拒む当時、隔離を恐れて患者を隠す例や、消毒を疑う風潮があった史実に沿う
黒川とりんが村へ向かう黒川に特定の実在モデルがいるとは公式に示されていないドラマ上の再構成を含む
避病院を掃除し患者を看護する大関和は排泄物処理、清掃、換気、患者の清潔保持などを徹底した史実が強く反映

NHK財団の解説も、本作は実在人物をモチーフにしつつ、物語として大胆に再構成していると明記しています。

したがって、「全部実話」でも「すべて創作」でもありません。赤痢防疫という中心部分は史実に根差し、人物関係や一つの村で起きる出来事としてドラマ化した、と見るのが最も正確です。

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第19週でりんが向かったのはどんな場所?

風、薫る:第19週「黎明の翼」あらすじ&場面カットのMANTANWEBサイトページ

第19週の公開済みあらすじでは、黒川が赤痢の発生した村へ行くため、りんに同行を求めます。

村には、避病院を恐れて医療や看護を受け入れようとしない住民がいました。8月3日の第91回は、りんが望月に防疫への参加を願い出るところまでが中心です。

ここで重要なのは、住民の反応を単なる「迷信深さ」だけで片づけないことです。当時の避病院には、病気を治す場所というより感染者を人里から隔離するための施設という面があり、設備や看護が十分ではない場所もありました。

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りんのモデル・大関和も赤痢と闘っていた

大関和は育てた看護婦たちと現場へ赴き、衛生環境を整えることで死者を大きく減らしたことを伝える環境再生保全機構の解説

大関和は、日本で最も早い時期に専門的な教育を受けた「トレインドナース」の一人です。

1888年看護教育を修了し、1891年には現在の新潟県上越市にあった知命堂病院の初代看護長となりました。大田原市の資料によると、1894年には同病院の産婆看護婦養成所で後進の育成にも当たっています。

環境再生保全機構の解説によれば、当時は全国的に赤痢が大流行していました。大関和は育てた看護婦たちと現場へ赴き、衛生環境を整えることで死者を大きく減らし、防疫の専門家として知られるようになります。

一方、大田原市観光協会の大関和紹介ページには、彼女の教え子たちが新潟県内で赤痢が流行した際に防疫で活躍したことも記されています。

この二つを合わせると、ドラマの「新潟の一つの村」は、大関和自身の防疫経験と、彼女が育てた看護婦たちの活動を組み合わせた可能性があります。これは資料を比較した上での推測であり、制作側が特定の村をモデルとして発表したわけではありません。

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大関和は避病院で何をしたのか

排泄物を処理し、簡易便所を設けた

赤痢は、患者や保菌者の便で汚染された手指、食品、水などを通じて広がります。大関和は放置されていた排泄物を処理し、簡易的な便所を設けることで、感染が広がりやすい環境そのものを変えました。

清掃・換気と患者の清潔を徹底した

室内を掃除して換気し、患者の体や衣類を清潔に保ちました。今では医療の基本に見えますが、「衛生」という考えが社会に十分浸透していなかった明治期には、大きな変化でした。

重症者と軽症者を分け、食事を整えた

患者を一か所に集めるだけではなく、重症者と軽症者を分ける建物を用意し、食事を提供できる環境も整えたと伝わっています。

中央公論.jpの大関和評伝では、こうした清掃、換気、排泄物処理、患者の清潔保持が大きな成果につながったと紹介されています。

これは、看護が医師の治療を手伝うだけの仕事ではなく、患者が生きられる環境をつくる専門職であることを示す出来事でもありました。

 

 

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なぜ村人は避病院を恐れたのか

当時の人々が避病院を拒んだ背景には、主に三つの事情がありました。

  • 町や村から離れた粗末な施設に隔離される恐怖
  • 看護する人手や設備が乏しく、「入れば帰れない」と感じさせる現実
  • 井戸の消毒を「毒をまいている」と誤解するなど、行政や医療への不信

避病院が「死病院」と呼ばれることもあったとされます。患者を隠す行為は感染拡大につながりましたが、住民側から見れば、家族を十分な治療も受けられない場所へ連れて行かれる恐怖がありました。

ドラマが描く対立は、近代医療と迷信の単純な争いではありません。信頼を得られない防疫は機能しないという、現代にも通じる問題が含まれています。

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明治の赤痢はどれほど広がっていた?

現代の公的説明では、細菌性赤痢は赤痢菌による急性の大腸炎で、発熱、下痢、腹痛、血便などを起こします。国立健康危機管理研究機構によると、主な感染経路は汚染された飲食物や、便を介した経口感染です。

慶應義塾大学の学術資料「日本における赤痢の流行と感染症対策の変遷」によれば、日本では1890年代に最初の大きな流行が起き、隣接する府県へ広がりました。患者は6月ごろから増え、8月にピークを迎える傾向も確認されています。

大関和が新潟で活動した1891~1896年は、まさにこの流行期と重なります。ドラマの時代背景として赤痢が登場することには、十分な歴史的根拠があります。

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どこからがドラマの創作なのか

2026年8月4日時点で、次の点は史実として断定できません。

  • ドラマと同じ村名・場所で一連の出来事が起きたこと
  • 黒川と大関和に当たる人物が、ドラマと同じ経緯で同行したこと
  • りんや村人の会話、対立、和解がそのまま記録されていること
  • 複数の看護婦が行った活動を、りん一人の経験として描いているかどうか

実在した知命堂病院や医師は確認できますが、黒川を特定の実在人物と一対一で結びつける公式説明は確認できませんでした。

史実とドラマを比べる際は、「似た人物がいるから同一人物」と早合点しないことが大切です。

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まとめ

風、薫る』で描かれる赤痢流行は、りんのモチーフとなった大関和の実体験や、彼女が育てた看護婦たちの防疫活動を土台にしています。

大関和が避病院で排泄物を処理し、清掃・換気を行い、患者の清潔や食事を整えたことは史実として伝わっています。赤痢が1890年代に大流行したことや、住民が隔離施設を恐れた背景にも歴史的な根拠があります。

ただし、新潟の特定の村、黒川との関係、会話や出来事の順序はドラマとして再構成された部分です。

この違いを知っておくと、りんが村人の信頼をどう得ていくのかだけでなく、看護という仕事が日本社会に根づいていく過程にも注目して見られます。

参考サイトURL裏付ける内容
NHK財団「大関和と避病院」https://www.steranet.jp/articles/112519作品が実在人物をモチーフに再構成されていること
環境再生保全機構「大関和に学ぶ看護師誕生の歴史」https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/sukoyaka/column/202601_2/大関和の経歴と赤痢防疫
大田原市「大関和をモチーフにした『風、薫る』」https://www.city.ohtawara.tochigi.jp/docs/2025013000029/新潟・知命堂病院での活動時期
国立健康危機管理研究機構「細菌性赤痢」https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/shigellosis/index.html赤痢の感染経路と症状

   

 

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