『踊る大捜査線 THE LAST TV』鳥飼はなぜサングラス?左目の負傷と「青島は手強い」の意味

眼鏡姿とサングラス姿を対比した鳥飼誠一と「鳥飼はなぜサングラス?」の文字

『踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件』に登場する鳥飼誠一は、室内でも濃いサングラスをかけています。『THE MOVIE3』では眼鏡姿だったため、急な変化に「左目に何があった?」と気になった人も多いでしょう。

結論からいうと、鳥飼のサングラスは『THE MOVIE3』の爆発で負傷した左目を隠すためです。シリーズを通して見ると左目は失明し、義眼になった設定だと分かります。さらに「青島さんは手強いですね」という台詞は、青島の捜査能力を褒めただけではなく、鳥飼が青島を自分の考えを阻む存在として意識し始めた言葉です。

以下、『THE MOVIE3』『THE LAST TV』『THE FINAL 新たなる希望』の軽いネタバレを含め、サングラスと台詞が示す鳥飼の変化を整理します。

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鳥飼がサングラスをかけている理由は左目の負傷

サングラス姿の鳥飼誠一のワンシーン

小栗旬さんが演じる鳥飼誠一は、2010年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』で初登場しました。当時は警視庁刑事部捜査一課の管理補佐官で、本庁と湾岸署の間を調整する若手キャリアです。

事件終盤、鳥飼は日向真奈美に結び付くパソコンの爆発トラップにかかり、左目を負傷します。負傷後は左目に包帯を巻いた姿で現れ、『THE LAST TV』ではサングラスを着用。続く『THE FINAL』では、サングラスの下の左目が義眼であることが映像で示されます。

作品左目と眼鏡の描写鳥飼の立場
『THE MOVIE3』爆発で左目を負傷し、包帯を巻く管理補佐官
『THE LAST TV』濃いサングラスで左目を隠す管理官
『THE FINAL』左目が義眼だと分かる管理官

光がまぶしいから、という説明は確認できない

負傷後のサングラスを見ると、光への過敏症や目の保護を想像するかもしれません。しかし、作中や確認できた公式コメントでは、鳥飼が医学的な理由を説明する場面はありません。確実なのは左目の負傷後に着用し、後の作品で義眼が明かされるという連続性です。

したがって、「後遺症で光がまぶしいから」とまでは断定できません。義眼と傷を普段は見せないための実用的な意味に加え、鳥飼の表情や本心を読みにくくする衣装上の効果もある、と考えるのが妥当です。

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サングラスは鳥飼の内面が変わった印でもある

ここからは、映像と小栗旬さんのインタビューを踏まえた分析です。『THE MOVIE3』の鳥飼は青島と行動を共にし、表面上は柔らかく接する調整役でした。ところが『THE LAST TV』では、サングラスで視線を隠し、以前より冷たく距離のある人物として登場します。

小栗さんは2012年の取材で、本広克行監督から『踊る』シリーズのダース・ベイダーのような存在を求められたことや、『THE MOVIE3』の事件によって鳥飼の正義感が確信へ変わったことを説明しています。鳥飼は警察上層部の保身に怒りを抱き、「悪は排除すればよい」という方向へ進んでいきます。

ただし、左目を失ったから突然悪人になった、と見るのは正確ではありません。鳥飼は以前から犯罪者への強い憎しみと組織への不満を抱えており、負傷を含む『THE MOVIE3』の事件が、その考えを先鋭化させる転機になったと捉えるべきでしょう。

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「青島さんは手強いですね」が出るのはどんな場面?

『THE LAST TV』終盤、王明才は自分をだました国際指名手配犯シン・スヒョンを前に、感情を抑えられなくなります。青島は王を力ずくで制圧するのではなく、湾岸署の仲間は家族であり、王も必要な一人だと語りかけて思いとどまらせます。

青島は王もシン・スヒョンも死なせず、事件を逮捕という形で終わらせました。その様子を見た鳥飼は、犯人がまた逮捕されたことへの不満を口にした後、室井に「青島さんは手強いですね」と告げます。室井は「手強い?」と聞き返し、鳥飼の言葉に引っかかりを覚えます。

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「青島は手強い」の意味は、鳥飼の正義を阻む相手だから

「手強い」は、普通なら優秀な刑事への称賛にも聞こえます。しかし、この場面では鳥飼が青島を同じ目的を持つ仲間ではなく、攻略しにくい相手として見ていることが重要です。

鳥飼は、凶悪な犯罪者を法の手続きに戻すだけでは足りず、社会から排除すべきだと考えるようになっています。一方の青島は、どれほど危険な相手でも命を奪うのではなく、逮捕して責任を取らせるのが警察の仕事だという側に立ちます。

人物犯罪者への向き合い方組織を動かす方法
青島生かして逮捕し、法に委ねる現場の判断と仲間との信頼を重視
鳥飼危険な悪は排除すべきだと考える権力と仕組みを使い、結果を優先

つまり鳥飼にとって青島が手強いのは、格闘や捜査技術だけが理由ではありません。追い詰められた人間を言葉と信頼で引き戻し、誰も死なせずに事件を終わらせる青島の信念が、鳥飼の「悪を排除する」という発想を成立させないからです。

室井が「手強い?」と聞き返した意味

室井にとって青島は、現場を任せるべき信頼の相手です。その青島を鳥飼が「手強い」と表現したことで、室井は二人が同じ側に立っていないことを感じ取ったのでしょう。

この受け答えの真意を脚本家や監督が明言した資料は確認できません。ただし、直後の『THE FINAL』で鳥飼が青島と室井の正義に対立することを踏まえると、室井の聞き返しは鳥飼の危うさに気づく小さな伏線と解釈できます。

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サングラスと台詞は『THE FINAL』への伏線

『THE LAST TV』は、物語上『THE FINAL』の約1か月前にあたります。鳥飼のサングラスは『THE MOVIE3』で受けた傷を引き継ぐと同時に、次作で青島と室井の前に立ちはだかる人物へ変わったことを視覚的に知らせています。

また、「青島さんは手強いですね」は、鳥飼がすでに青島の信念を自分の計画にとって厄介な力だと見抜いていたことを示します。鳥飼は単純な悪役ではなく、警察組織を変えたいという問題意識を持ちながら、目的のために許されない手段を選ぶ人物です。青島との違いは目的よりも、命と法をどこまで守るかにあります。

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まとめ

『THE LAST TV』で鳥飼がサングラスをかけているのは、『THE MOVIE3』の爆発トラップで負傷した左目を隠すためです。後の『THE FINAL』では左目が義眼だと分かります。医学的な着用理由は明言されていませんが、負傷の連続性と、鳥飼の本心を見えにくくする演出の両方を担っています。

「青島さんは手強いですね」は、単なる褒め言葉ではありません。誰も死なせず、犯罪者を逮捕へ導く青島の信念が、悪を排除しようとする鳥飼にとって越えにくい壁になったという意味です。室井の「手強い?」という聞き返しまで含め、『THE FINAL』で表面化する鳥飼と青島・室井の対立を先取りした場面です。

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参考資料