フランス1部のLOSCリールへ移籍した上田綺世(うえだ あやせ)さんの背番号が「18」に決まりました。日本代表でも18番を背負っているため、「なぜ9番ではなく18番なのか」「クリンスマンとどんな関係があるのか」と気になった方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、18番の直接の由来は上田綺世さんの父です。父が元西ドイツ・ドイツ代表FWのユルゲン・クリンスマンさんを好きで18番を着け、上田さんは憧れの父をまねしました。つまり、クリンスマンさんから父へ、父から上田さんへ受け継がれた番号です。
※本稿は2026年9月1日までのクラブ公式発表と、上田さん本人への過去の取材をもとに整理しています。
LOSCリールは2026年8月31日、上田綺世(うえだ あやせ)さんの加入を正式発表しました。契約期間は2030年までの4年間で、上田さんはクラブ史上初の日本人選手です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 移籍先 | LOSCリール(フランス1部) |
| 背番号 | 18 |
| 契約期間 | 4年・2030年まで |
| 前所属 | フェイエノールト |
| ポジション | FW |
| 生年月日 | 1998年8月28日 |
リールの背番号18は、上田さんにとって海外クラブでは初めての18番です。セルクル・ブルージュでは36番、フェイエノールトではストライカーの象徴とされる9番を着けていました。
2025-26シーズンにはオランダリーグで31試合25得点を記録し、得点王を獲得。実績だけを見れば9番でも不思議ではありません。それでもリールで18番になったところに、この番号との深い縁が感じられます。
上田さんは、父に憧れてサッカーを始めました。父は趣味でサッカーをしており、元西ドイツ・ドイツ代表の名ストライカー、ユルゲン・クリンスマンさんが好きだったことから18番を選んでいました。
上田さんは幼い頃から、父のポジションと背番号をまねしていたと説明しています。その思いはプロになっても変わらず、鹿島アントラーズでも希望を伝え続け、2021年に36番から18番へ変更しました。
関係を整理すると、次の流れです。
| 人物 | 18番との関係 |
|---|---|
| クリンスマンさん | 西ドイツ・ドイツ代表などで18番を着用 |
| 上田さんの父 | クリンスマンさんが好きで18番を選択 |
| 上田綺世さん | 憧れの父をまねして18番を選択 |
見落としやすいのは、上田さん自身が少年時代からクリンスマンさんを詳しく研究していた、という話ではないことです。本人はクリンスマンさんを詳しく知っていたわけではないと説明しています。上田さんにとって一番身近な憧れは、あくまで父でした。
では、その出発点となったクリンスマンさんは、なぜ18番だったのでしょうか。
Number Webの取材でクリンスマンさんは、ドイツ代表入りした当時、FWの番号という印象が強い9番や11番がすでに使われていたと説明しています。特に9番はルディ・フェラーさんの番号だったため、9の2倍という発想から18番を選び、やがてお気に入りになったそうです。
整理すると、「9番の2倍」というクリンスマンさんの発想が、上田さんの父を経て、現在の日本代表FWにまでつながったことになります。偶然から始まった番号が、世代を越えて家族の物語になった点が18番の面白さです。
▼オリヴィエ・レタン、LOSC社長と背番号18のユニフォームとともに写る上田選手
主なクラブと代表での背番号をまとめました。
| 時期 | チーム | 主な背番号 |
|---|---|---|
| 2019~2020年 | 鹿島アントラーズ | 36 |
| 2021~2022年 | 鹿島アントラーズ | 18 |
| 2021年 | 東京五輪日本代表 | 18 |
| 2022~2023年 | セルクル・ブルージュ | 36 |
| 2023~2026年 | フェイエノールト | 9 |
| 2023~2025年 | 日本代表 | 主に9 |
| 2025年10月~ | 日本代表 | 18 |
| 2026年~ | LOSCリール | 18 |
鹿島では2021年に念願の18番を得ましたが、海外移籍後は36番、9番と続きました。日本代表でも長く9番を着けていたものの、以前から18番を希望していることをスタッフへ伝え、2025年10月に変更が実現しています。
9番は一般にセンターフォワードや得点源を象徴する番号です。上田さんも、日本代表から9番を与えられたことへの敬意と責任を感じていたと説明しています。
そのため、18番への変更は9番を軽く見たものではありません。9番の責任を果たしながらも、自分の原点である18番を代表で背負いたいと希望し続けた結果です。
ここからは私の見方ですが、現在は海外クラブと日本代表の双方で18番を背負うことになりました。「与えられたエース番号」から「自分の原点を示す番号」へ移ったとも考えられ、18番は上田さんを象徴する番号として、さらに定着しそうです。
上田綺世さんが背番号18を大切にする理由は、クリンスマンさんを好きだった父が18番を着け、上田さんが憧れの父をまねしたからです。上田さんが直接クリンスマンさんに憧れた、という単純な関係ではありません。
鹿島と日本代表で背負ってきた18番は、リールで海外クラブ初の18番となりました。父から受け継いだ特別な番号で、フランスでもどのようなゴールを重ねるのか注目されます。