日産キックスのCMで、いかりや長介さんが演じた和久さんの声が聞こえる。「昔のせりふを使ったの?」「誰かが声を担当しているの?」と気になった方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、今回のナレーションは和久平八郎のAIボイスです。日産が2026年9月26日に発表した、映画『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』とのコラボCMで採用されています。
この記事では、声の制作について確認できたことと、映画とのつながり、CMを確認できる公式動画を整理します。後半では新作映画のAI和久さんに関する設定に触れます。未鑑賞の方はご注意ください。
日産の説明によると、ナレーションは映画本編で使われたAIボイスをもとに制作されています。制作を担当したのは、フジテレビの映画制作チームとTITAN INTELLIGENCEです。
したがって、今回の声について「ものまねをする別の俳優が担当した」と説明するのは適切ではありません。また、過去のドラマの音声をそのまま流しただけ、と受け止めるのも公式説明とは異なります。映画向けに作られたAIボイスが、今回の広告にも使われているという関係です。
TITAN INTELLIGENCEは、公式サイトで音声合成やAIを活用したコンテンツ事業を紹介しています。ただし、同社が持つ技術すべてが、今回のCMに採用されたとまではいえません。
確認した日産の発表には、学習に使った素材の内訳や、声の調整工程まで踏み込んだ説明はありません。「どの作品の声を何時間学習したのか」などは、現時点では確認できない内容です。
日産はCM制作に際して関係各所の確認と了承を得たと説明しています。ただし、個別の承諾者や契約内容は示されていないため、そこから家族の具体的な意向まで推測することは避けたいところです。
ここからは新作映画の設定に触れます。日産の公式発表では、増田貴久さんが演じる真下勇気が、和久平八郎の教えをもとにAIの和久さんを構築する場面があると紹介されています。
今回のCMは、この映画内のAI和久さんと連動した企画です。「和久さんが出ている」という情報だけでは、回想場面なのか、過去映像なのか、新しい演出なのかが分かりにくくなります。映画の設定と広告での使い方を分けると理解しやすくなります。
| 登場する場所 | 今回確認できた位置づけ |
|---|---|
| 新作映画 | 和久平八郎の教えをもとに構築されたAIとして登場 |
| 日産キックスの特別CM | 映画で使われたAIボイスをもとに、車を紹介するナレーションを制作 |
ここからは、発表内容を踏まえた考察です。CMで聞き覚えのある声に触れると、視聴者は技術の仕組みより先に、その人物との思い出を呼び起こされることがあるでしょう。長く続くシリーズでは、声そのものが作品への入口になり得ます。
一方で、AIによる表現に懐かしさを感じるか、違和感を覚えるかは人によって異なります。公式に制作方法が説明されていることと、その演出に納得できるかどうかは、別の話です。
今回の企画は、昔のキャラクターを思い出させながら、新作映画へ関心をつなぐ役割を持つと考えられます。ただし、これは企画の構成から読み取れる見方であり、すべてのファンの評価を代弁するものではありません。
日産は9月26日のフジテレビ系『交渉人 真下正義』放送内で特別CMを放映し、同日21時30分から公式YouTubeで公開すると案内しています。フジテレビが掲載する映画番組の放送枠は21時から23時30分です。
ここで混同しやすいのが、番組の開始時刻と動画の公開時刻です。21時30分はYouTubeの公開予定時刻であり、テレビでCMが流れる時刻を示したものではありません。
CMを探す場合は、日産が案内する公式動画「キックス『ナレーション 和久平八郎』篇」が確認先です。この記事では動画ページの存在を確認していますが、映像・音声の再生確認は行っていません。
日産キックスの特別CMで使われている和久さんの声は、公式にAIボイスと説明されています。映画と広告はつながっていますが、映画の中での役割と、CMのナレーションという役割を分けると、今回の登場の仕方が見えてきます。
声の技術的な詳しい工程や、個別の許諾内容まで公表されたわけではありません。確認できる公式説明を押さえたうえで、懐かしい声が新しい作品や広告に登場することをどう感じるか。それも今回のコラボを見る一つの視点になりそうです。